それによると、ふるさと納税をする目的を問うたところ、「返礼品」が69.2%でトップ、「節約」が22.3%、「地域貢献」が8.5%となっている。本来の目的である「地域貢献」を意識している人は1割も満たないというのが現状だ。
ふるさと納税の寄付先を選ぶ基準も「返礼品で選ぶ」が89.7%と9割近くに及んだ。「応援したい自治体で選ぶ」が11.5%、寄付金の使い道で選ぶはわずか0.8%しかいなかった。
このような実態のなか、自分の応援したい自治体・地域は思い浮かぶけど、魅力的な返礼品のある自治体・地域に寄付しがちかとの問いには、86.9%の人が「はい」と回答。このことから、ふるさとの納税する際は、自治体から選ぶのではなく返礼品からお得感のあるものを選ぶというのが浮き彫りになった。
結局、いかにいい返礼品が揃えられるかが勝負となっているふるさと納税。では、自治体としてはどうすればいいのか、コメントを見てみると「ふるさと納税で得た税収の使途の公開・報告を積極的に行うと良いと思います」「旅費の一部をチケットとして返礼品にすれば僅かですが訪れる人が増えるなど、魅力的な返礼品を作り出す努力が必要だと思います」「自然災害などで被災し地域の復旧にお金がかかるなど、ぜひ手助けをしたいと思うようなエピソードを発信すれば寄付金が集まると思います」「有名な施設や観光地で普段では見学できない様な施設巡りなどができると現地に行きお金を落とすでしょう」などなど。
特に多かったのが、ふるさと納税で得た税収でどういうふうに役立てられたのか可視化してほしいという意見。サイト上だけでなくSNSを通じてアピールし、そういった情報が目に触れれば、もっと貢献したいと考えるようだ。寄付金の使い道として選びたいのは、「地域活性化」が33.8%、「復興支援」が20.9%、「教育・子育て支援」が16.9%となっている。政府による制度の見直しも必要かもしれないが、地域貢献のできる返礼品づくりを加速化させ、地域の魅力を積極的に発信していくことが、自治体に求められている。
出典:ONE FOR ONE「ふるさと納税・寄付先を選ぶ基準についてのアンケート調査」より