ロンドンを拠点とする市場調査会社Mintel Groupの日本法人ミンテルジャパンは、『ゲームプレイヤーのマーケティング - 日本 - 2024年』と題したレポートを発表した。そのなかで、18歳以上のインターネットユーザー2000人を対象に行った調査の結果として、ゲームプレイの頻度は、毎日が27パーセント、週に数回が15パーセント、月に数回が9パーセントなどとなっていて、合計するとゲームをプレイしない人(44パーセント)を10パーセント以上上回ったことが示されている。
そこには、面白いデータもある。過去3カ月間にゲームをプレイした18歳以上のインターネットユーザー1121人を対象に行った「ゲームプレイ頻度ごとの生活行動に対する考え・態度」に関する調査の結果だ。毎日ゲームをする人と、月に数回かそれ以下の人とを比較すると、「家の整理整頓に気を配っている」、「服装に気を配っている」、「毎日運動をしている」、「食生活に気をつけている」という4つの項目すべてにおいて、毎日ゲームをする人の割合が低かった。全体にわずかではあるが、食生活に関しては差が大きく、12パーセントもの開きがあった。ゲームプレイの頻度と生活態度に相関があると断定するには、より詳しい調査が必要になるだろうが、こうした傾向が示されたことを、ゲーム愛好家は覚えておいたほうがよさそうだ。
また、ゲームのスタイルが対戦型から多人数型に移行するにつれて、新たな問題も発生している。ボイスチャットでのリアルタイムのコミュニケーションが可能になったことが、ゲーム内での「いじめ」を助長しているというのだ。「プレイ中のミスや暴言をきっかけに、チームから排除される」といった問題が増加傾向にあるという。とくに未成年の場合、大人の目が届かない場所でのいじめが現実世界に波及することが懸念されるとミンテルジャパンは指摘している。
さらに、東京都教育委員会が都内の公立小中高生1万2000人を対象に実施した調査の結果として、全体の27パーセントに課金経験があり、高校生ではそれが41パーセントに達したことを伝えている。また警視庁の『サイバー空間をめぐる脅威の情勢等』の調査結果として、2023年のオンラインゲーム・コミュニティーサイトの不正利用が234件にのぼり、過去最多となったことをあげている。親の知らないところで多額の課金をしたり、知らない大人と関わって犯罪に巻き込まれるケースも増えていることも心配の種だ。
ますます拡大するであろう日本のゲーム市場が、健全な産業として成長するためには、これらの課題を真剣に考える必要がある。
プレスリリース