最後に來田は、「(本イベント名には)女の子のためにとありますが、女の子も一様ではありません。女の子のことを考えることで、女の子一人ひとりを考える道につながっていくとベスト。そして、感動の押し売りでも根性物語でもない、普通に生きて、転んでもまた起き上がって歩いていく。そういうストーリーが全ての女の子一人ひとりにあるべきだし、それを見つけられるツールがスポーツだと思います」と括った。
主催側共同責任者のローレウス財団シニア・プログラム・アンド・グランツ・マネージャーの篠原果歩はインタビューで、日本のジェンダーギャップ指数が低いことに触れ(2024年146カ国中118位)、解決のためにスポーツがもつ可能性について次のように述べた。
「ヨーロッパでは男女混合でラグビーを行います。性別や体格など、多様な人々といかにチームワークを構築するかを学ぶことが目的のひとつ。国連はスポーツを用具と体さえあればできるコストエフェクティブな開発ツールだとしていますが、日本ではまだ社会課題解決に上手く活用できていません。
目標達成に向けて考え、集団で動くことが多いスポーツの特性を生かし、女の子たちはリーダーシップなどのスキルを学べます。10年、20年後に社会に出た彼女たちが、リーダーになる可能性がある。それを仕組み化できれば、社会はきっと変わっていきます」。
スポーツを通して日本の女子を変えられるのか、まずは周りの大人たちが意識を変えられるかにかかっている。