開発したのは岐阜県を拠点とするスチールアーチ。以前はスチールガレージの製造販売をしていたが、コロナ禍で金属建材の入手が困難となり、アーチシェル構造の製品の販売を考えた。ところが、国内には建築基準法を満たしたものがなく一旦は断念。独自に開発することを決めた。専門機関や有識者の支援を受けて金属建材と成形機を開発し、建築基準法に準拠した建築確認申請対応可能な建築物「スチールアーチ」として2023年に販売を開始した。
そして今回、薄型軽量形鋼によるアーチシェル構造の建造物として、日本で初めて保有水平耐力(地震の横揺れや台風などの強風に耐える力)を含む構造評定(BCJ 評定LS0149-01)を取得し、日本建築センターの鉄鋼系住宅構造審査委員会の基準(長期荷重・積雪荷重・風荷重)をクリアしたことで、台風や豪雪に見舞われる地域での展開も可能となった。断熱材を挟んだ2柔構造にすれば強度も高まり、180センチメートルの積雪にも耐えるという。
スチールアーチは、アーチ状に加工したガルバリウム鋼板(R材)をつなげて作られる。間口は最小5メートルから最大10メートル。奥行きは鋼板を自由に設定できる。屋根と壁が一体なので非常にシンプルで軽量ながら強度が高いため、柱のない広い空間を有効に活用できる。前後の壁のデザインにも自由度があり、屋根材として使うことも可能だ。
同等の鉄構造の建物に比べて建築コストは約半分。人工(職人1人の1日の賃金)は40パーセント削減できるということだ。
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