モビリティ

2024.10.25 16:45

EVトゥクトゥクで生活支援、神戸親和大学の新たな試み

神戸親和大学公式ホームページより

観光客の手軽な足としてEVトゥクトゥクのレンタル事業を展開する自治体や企業が増えているが、神戸親和大学は、近隣住民の生活の足としてこれを活用するための実証実験を計画している。高齢者が多く暮らし、道が狭く、坂道も多い神戸市北区、北神区の地域活性化をEVトゥクトゥクで実現しようという試みだ。

兵庫県神戸市で140年近い歴史を有し、学生の地域連帯学習に力を入れる神戸親和大学は、神戸市北区役所と共同で、交通難民支援、物流、介護など社会課題の解決や地域の活性化の手段としてEVトゥクトゥクの活用に着目し、実証実験を行うことに決めた。開始時期は未定だが、北区役所、北神区役所との取り組みを進めている。このほか同大学では、来秋学期に開講予定の「地域共創科目」でのEVトゥクトゥクの活用も考えている。

使用するEVは、電動マイクロモビリティーの開発、製造、販売を行うビークルファンの3人乗りEV「ETT-NEO」。2000ワットのハイパワーモデルで、1充電あたり70キロメートルほど走行できる。「商売よりも文化を変革したい強い気持ちがある」というビークルファンの代表取締役、松原達郎氏から5台が1年間無償提供され、このほど大学に納車された。将来的には100台での運用を目指しているが、まずはこの5台で「弾みをつける」ということだ。

松原氏はまた、神戸親和大学の学生にEVトゥクトゥクの販売やレンタルの事業を立ち上げてほしいと、ベンチャー起業家の養成にも協力するとのこと。またビークルファンは、大学との共同研究契約を取り交わす予定だ。EVトゥクトゥクがレジャー用から生活の足へ、さらには地域の原動力への発展が期待される。

プレスリリース

文 = 金井哲夫

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