消費者庁によれば、2017年のフードロスは612万トンと推計され、国民1人あたり毎日ご飯茶碗1杯分(約132グラム)が捨てられている計算だという。こうしたフードロス問題への関心は、とくに食料自給率の低い日本でも高く、飲食店での食べ残しを「もったいない」と感じる人が多い。ご飯盛り付けロボットを開発販売する鈴茂器工が20歳から69歳の男女400人を対象に実施したご飯の食べ残しに関するアンケート調査の結果を見ても、それがよくわかる。
調査によると、年1回以上外食する人の2割強がご飯の食べ残しを経験していた。飲食店で出されるご飯を、適量だと感じる人は約56パーセントなのに対して、「多い」と感じる人はじつに25パーセントもいた。だた、少ないと感じる人も18パーセントいる。多すぎると感じる人が食べ残すのはわかるが、適量だと思っていても食べ残す人も一定数いる。飲食店とすれば、適量の見極めが難しいところだ。
自由意見には、注文時にご飯少なめでとお願いするという人がいた。大盛りと同じように「小盛り」もメニューに載せてくれたら頼みやすい、または最初に量を聞いてほしいという意見もあった。店が対応できない場合、あるいは出された量を見て食べきれないと感じた場合は、残すのがイヤなので全部食べる、いっしょに来た人に食べてもらうといった「自助努力」をしている人たちも見受けられた。
飲食店で出されるご飯に関する希望を尋ねると、衛生的であること、温かいこと、ふっくら盛り付けてあることなど、おいしいご飯を求める声を抑えてトップになったのが、自分が食べたい量を自分で盛り付けられることだった。また、食べ残し経験者に限定すると、食べ残しや廃棄が減らせる、食べ残しへの罪悪感がなくなるという希望も上位に入る割合となっていた。
店の形式によっては難しい場合もあろうが、この調査の結果に限って言えば、盛り付けロボットがひとつの合理的な答えになりそうだが、とりあえずは、「ご飯少なめで」とお願いするのがもっとも手っ取り早いフードロス対策になるだろう。
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