多摩大学ルール形成戦略研究所からスピンアウトした水素スタートアップ、H2&DXはさまざまな方面での水素利用を推進しているが、そのひとつに水素調理器具の開発がある。同社が2022年に水素コンロの販売を開始し、2023年のG7サミットでは国際メディアセンターにて水素調理による料理を振る舞い話題になった。また今年4月には直営店として東京都港区に世界初の水素焼きレストラン「icHi」(いち)をオープンしている。
水素は酸素と結合して燃焼するため、その際には二酸化炭素を排出しない。ただ水素調理は、エコな代替方法というだけではない。通常のガスよりも高温で水蒸気が大量に出るため、高温スチーム調理のようになる。炎の匂いが付かないので、炭火のような風味はないものの、そのぶん素材本来の味が引き出せるという。高温なので調理時間が短縮できるというメリットもある。水素焼きには、これまでにない独特な焼き物の世界を創りだす可能性があるのだ。
そのH2&DXから、新たに炙り焼き用のバーナーが発売されることになった。これまで同社の水素調理器具を導入した業者から、食材のよさをさらに引き立てる水素火炎による炙り調理用バーナーが欲しいという要望があったからだ。これは、同社の水素調理器具を使用している顧客向けの受注生産品となる。H2&DXの水素炙りバーナーの特徴は以下のとおり。
・燃焼には水素を使用するためCO2を排出しない
・無臭である(食材にガス臭がつかない)
・燃焼温度を高くすることができる
・耐熱耐食性の高いステンレス素材を採用
・設置しやすい掛けリングを取り付け
icHiでも、水素炙りメニューが順次加わる予定とのことだ。
プレスリリース