宇宙

2024.10.08 18:00

月と金星と赤色超巨星が夕空を彩り、彗星との再会に期待がかかる今週の夜空

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今週の夜空も、見逃せない天体ショーが続く。8日は月とさそり座の1等星アンタレスが夕暮れどきの空に並び、近くに宵の明星・金星も輝いているため、魅惑的な光景が楽しめる。12日には「紫金山・アトラス彗星(C/2023 A3)」が最も明るい姿で再び現れると期待されている。太陽の近くを通過した彗星の核が無事であることを祈ろう。

10月第2週の天体観測のポイントをまとめた。

10月8日(火):月とアンタレス、金星が共演

日没前後に南西の空を見ると、ふくらみを増した三日月が、さそり座で最も明るい星アンタレスのすぐ左側に並んで見える。

アンタレスは太陽の12倍の質量を持つ赤色超巨星で、観測史上最大級の恒星のひとつ。オレンジがかった赤色をしていて、双眼鏡を使うと赤みを帯びた輝きがはっきり見える。この色合いと、2年2カ月ごとに火星と接近することから、「火星のライバル」の異名をとる。その大きさは、太陽系の太陽と置き換えた場合、木星の軌道あたりまで覆ってしまう。

さそり座のアンタレスと天の川(Shutterstock.com)

さそり座のアンタレスと天の川(Shutterstock.com)

10月11日(金):上弦の月

地球から見た月の形がちょうど半円に見える。上弦の月を迎えるころになると、夜空は夕方から月明かりに照らされて天体観測には向かなくなる。それでも星を眺めるなら、あまり明るくない星座を探すのは避けよう。月が満ちていく今後1週間は、夜の訪れとともに月が煌々と空に輝くことになる。

10月12日(土):紫金山・アトラス彗星

紫金山・アトラス彗星はこの日、最も地球に接近する。核が健在なら、日没直後に西の空を見上げると、長く尾を引く彗星の姿が見られるだろう。肉眼で観察するのに十分な明るさになるかどうかは、まだわからない。

2024年10月2日の明け方に撮影された紫金山・アトラス彗星(cafuego via Wikimedia)

2024年10月2日の明け方に撮影された紫金山・アトラス彗星(cafuego via Wikimedia

forbes.com 原文

翻訳・編集=荻原藤緒

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