Tips

2024.10.09 00:00

「とんでもないです」は間違った敬語?ビジネスシーンでの正しい使い方や言い換え表現を例文付きでわかりやすく解説

「とんでもないです」という表現は、ビジネスシーンでもよく使われる敬語表現ですが、その使い方が誤解を招くことがあります。この記事では、「とんでもないです」が間違った敬語表現なのかどうか、ビジネスでの適切な使い方、そして言い換え表現について解説します。適切な例文とともに、ビジネスシーンでの敬語の使い方を理解していきましょう。

「とんでもないです」とは?

「とんでもないです」は、「とんでもない」という形容詞に丁寧語の「です」をつけた表現です。このフレーズは主に謙遜を示す場面で使われ、特に目上の人や取引先からの褒め言葉や感謝に対して、遠慮する意図を込めて使われることが多いです。

語源と意味

「とんでもない」の語源は「途(と)でもない」にあり、道理から外れた意味を持ちます。ビジネスでよく使われる「とんでもないです」は、現代では「決してそのようなことはない」「滅相もない」という意味で、謙遜の意図を持って使われることが一般的です。

例文: 「褒めていただいて恐縮ですが、まだまだ勉強が足りません。」


advertisement

「とんでもないです」は間違った敬語なのか?

「とんでもないです」は、正しい敬語かどうかについて、議論のある表現です。文法的には「とんでもない」は一語として成立しているため、これに「です」を付け加えるのは誤用とされています。しかし、現代では「とんでもございません」や「とんでもないです」といった表現が広く使われており、ビジネスシーンでも受け入れられているのが現状です。

誤用とされる理由

「とんでもない」という形容詞に「です」や「ます」をつけるのは、厳密には文法的に誤りです。「とんでもないことです」や「とんでもないことでございます」が正しい敬語表現です。しかし、文化庁の調査でも「とんでもございません」が広く容認されており、ビジネスシーンで使用することは問題視されていません。

例文: 「とんでもございません。お役に立てて光栄です。」

ビジネスシーンでの使い方

「とんでもないです」は、謙遜や感謝の際に使われることが多く、特に取引先や上司からの褒め言葉や感謝の言葉に対して使用されます。ただし、適切に使うためには、相手との関係性やシチュエーションを考慮する必要があります。

褒め言葉に対して使う場合

褒められた際に「とんでもないです」と謙遜するのは自然な使い方です。ただし、あまりにも頻繁に使うと、相手に自信がないと誤解される可能性があるため、感謝の言葉を加えることが大切です。

例文: 「とんでもないです。ご指導のおかげで成果を出せました。」

謝罪に対して使う場合

目上の人や取引先からの謝罪に対して「とんでもないです」を使うこともあります。この場合、「謝る必要はありません」という意味合いを持たせ、相手の謝罪を軽く否定し、寛大さを示すことができます。

例文: 「とんでもないです。こちらこそ申し訳ありませんでした。」

「とんでもないです」の言い換え表現

「とんでもないです」は誤用である可能性があるため、場合によっては別の表現を使うほうがより適切です。以下に、ビジネスシーンで使える言い換え表現を紹介します。

「恐縮です」

「恐縮です」は、相手からの厚意や感謝に対して謙虚な気持ちを表す際に使います。ビジネスシーンでは非常にフォーマルな表現で、感謝や謝罪を伝える際にもよく使われます。

例文: 「お褒めいただき恐縮です。今後も精進いたします。」

「恐れ入ります」

「恐れ入ります」は、相手への感謝や恐縮の気持ちを丁寧に伝える表現です。特に謝罪やお願いをする際に適しています。

例文: 「ご丁寧にありがとうございます。恐れ入りますが、引き続きよろしくお願い申し上げます。」

「滅相もないです」

「滅相もないです」は、「とんでもないです」と同様に、謙遜を表す丁寧な表現です。相手の褒め言葉を控えめに受け止めつつ、感謝の意を表明できます。

例文: 「滅相もないです。私などまだまだです。」

「とんでもないです」を使う際の注意点

「とんでもないです」は、多くのビジネスシーンで使える表現ですが、過度に使用すると相手に謙虚さ以上に、自己否定や自信のなさを感じさせることがあります。また、目上の人に対してはあまりに軽い印象を与えることもあるため、注意が必要です。

過度な謙遜は避ける

「とんでもないです」を多用すると、自信がないように見える場合があります。特に褒められた際は、素直に「ありがとうございます」と感謝を伝える方が、相手とのコミュニケーションが円滑になります。

例文: 「ありがとうございます。これからも精一杯努めてまいります。」

相手の状況を考える

ビジネスの相手が謝罪している場合、過度に「とんでもないです」を使用すると、問題を軽視していると受け取られる可能性があります。謝罪には真摯に対応しつつ、適切な表現を選びましょう。

例文: 「お気遣いありがとうございます。今後は気をつけます。」


advertisement

まとめ

「とんでもないです」はビジネスシーンで広く使われる表現ですが、文法的には誤用とされることがあります。正確な敬語としては「とんでもないことです」や「とんでもないことでございます」が推奨されます。しかし、実際には多くの人々が「とんでもないです」を使用しており、相手とのコミュニケーションを円滑に進めるための慣用表現となっています。

重要なのは、相手やシチュエーションに応じて適切な表現を使い分けることです。言い換え表現として「恐縮です」「恐れ入ります」「滅相もないです」などを活用しながら、丁寧な対応を心がけましょう。

ビジネスの場では、敬語の使い方が信頼関係に影響を与えることもあります。正しい表現を理解し、相手に敬意を示すことで、円滑なコミュニケーションを図りましょう。

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事