ロシア語で「ハンター(狩人)」を意味するオホートニクは、米空軍のステルス戦略爆撃機ノースロップ・グラマンB-2と似た翼形状をしていて、理論的には敵の防空網を突破して攻撃できる。中国のステルス無人機の天鷹、米空軍のステルス無人偵察機ロッキード・マーティンRQ-170と同じクラスに属する。
ロシアの軍用機に詳しい独立系専門家トム・クーパーは2019年に、オホートニクがロシア空軍の飛行隊で就役する公算は「大きい」との見方を示していた。しかし、ぼんやりとお目見えしてから5年ほどの間に、開発元のスホーイ社などが第一線部隊に配備できるほどの数を製造したり、試験を重ねたりしたのかは不明だ。
オホートニクはまだ開発段階の可能性もある。ロシア空軍が実戦でのデータを収集するために、テスト機を戦闘地域に配備するのは珍しいことではない。とはいえ、戦闘試験中に希少で高価なテスト機を失うのは開発努力にとって大きな支障になる。
I can confirm, based on footage from @PEnssle, that Ukrainian forces have already recovered and removed large, relatively intact pieces of the advanced Russian S-70 Okhotnik UCAV that crashed in Donetsk Oblast.
Notably including the wing segment seen in this video. pic.twitter.com/7Z9yDgKfab — OSINTtechnical (@Osinttechnical) October 5, 2024
アナリストのアンドルー・パーペチュアによれば、ロシア軍は偵察ドローンを1日に300機ほど飛ばしているが、ウクライナ軍は最近、これらのドローンを週に100機超のペースで撃墜している。パーペチュアは先月、ロシアは以前は偵察ドローンの生産数が損失数を上回っていたが、現在は下回っているのではないかと推測している。
ロシア軍は偵察範囲の穴を埋めるために、最新鋭の無人機であるオホートニクを、準備が完全には整わないまま投入するという大きなリスクを冒したのかもしれない。その結果、オホートニクは、より性能が低い偵察ドローンにとっても非常に危険な場所になっている前線上空で、ウクライナ側の防空網の犠牲になった可能性がある。
(forbes.com 原文)