──デジタル技術の進歩で楽器が弾けなくても音楽制作ができる時代になり、音楽の人気ジャンルもエレキギターを主軸に据えたものではなくなってきている。業界の未来をどうとらえているか。
ムーニー:エレキギターの将来を案じる声はこれまでもたくさんあった。17年には「エレクトリックギターの緩やかな死」という見出しで記事を書いたワシントン・ポスト紙の記者もいた。しかしエレキギターの普及率は一貫して伸びていることがデータとして明らかになっており、私は当分の間、エレキギターの衰退などは心配していない(調査会社REPORTOCEANは21~27年のエレキギター世界市場規模がCAGR7.2%以上で成長すると予測)。多くの人が、ギターはまだまだ捨てたものではないということを理解していると思う。ギター・ビジネスは健全で、成長しているのだ。
アンディ・ムーニー◎1955年、英国生まれ。ナイキの最高マーケティング責任者(CMO)、ディズニー・コンシューマー・プロダクツのプレジデントおよび会長、クイックシルバーCEOなどを経て2015年、フェンダー ミュージカル インストゥルメンツ コーポレーション(FMIC)のCEOに就任。
フェンダー ミュージカル インストゥルメンツ コーポレーション(FMIC)◎1946年にレオ・フェンダーが米国カリフォルニア州で創業。フェンダーに加え、スクワイア、グレッチ、ジャクソン、EVH、シャーベルなどのブランドを傘下にもつ世界屈指のギターメーカー。非公開企業。