レヒは、ウクライナがスウェーデンから取得する予定のサーブ340早期警戒機(AEW)にも触れつつ、「ウクライナがさらに多くのF-16を手に入れ、(その訓練を受けた)パイロットも増え、2機のサーブAEWが届き、経験を積み、ミサイルも増えれば、F-16は防空以外の目的にも活用されるようになるだろう」と予想している。
ウクライナ空軍はこうした危険な遭遇にも備えている。F-16をロシア軍のミサイルから守るため、ウクライナは欧州諸国のF-16に最近導入された防御装備である「PIDS+」(パイロン一体型妨害手段投射システム、ミサイル警戒装置付き)や「ECIPS+」(パイロン一体型電子戦システム、ミサイル警戒装置付き)も保有しているようだ。
PIDS+は、レーダーや赤外線で誘導されるミサイルを欺くチャフ(金属片)やフレア(高熱の燃焼物)を射出し、AN/AAR-60ミサイル警戒装置も付属する。ECIPS+は、チャフやフレアによるアクティブ防護を補完するパッシブ防護として、地上などのレーダーを無効化するAN/ALQ-162ジャマー(電波妨害装置)などを備える。こちらもAN/AAR-60が付属している。
ジャマーは、ロシア軍の最新レーダーを識別し、無効化するために特別なプログラミングが必要になる。米空軍はそれを支援するため、フロリダ州に拠点を置く第68電子戦飛行隊の専門要員を欧州に派遣し、F-16のジャマーを調整した。
同飛行隊のエンジニアは「デンマークとノルウェーから提供されたデータを頼りに、通常のプロセスに新たなプロセスとアプローチを適用することで、チームはシステムを理解し、作業を開始することができました」と振り返っている。
さらに「プログラムを書き換えたポッドを搭載した1機のF-16だけでは航空優勢を確保できないでしょうが、戦略的に重要でインパクトのある目標を達成するため、一時的に局所的な航空優勢をつくり出すことは可能かもしれません」とも述べている。
(forbes.com 原文)