アップルがユーザーによる削除を可能にする他のアプリには、メッセージや写真、カメラ、Safariが含まれる。これらのアプリは、現時点ではiPhoneやiPadから削除できない仕様となっている。
「これらの変更は、デジタル市場法の要件への適合に関する欧州委員会との継続的な対話の中から生まれたものだ」とアップルは、22日の開発者向けアップデートの中で静かに発表した。
ユーザーにApp Storeの削除を許可することは、アップルにとって大きな動きとなる。同社は、App Storeのガイドラインを通じて、どのアプリをiPhoneやiPadで利用可能にするかを管理しており、App Store経由でダウンロードされたアプリに通常、自社が提供する決済サービスの使用を求めている。この結果、アップルは、高い利益率を維持している。
サードパーティのアプリストアを利用可能にすることは、アップルの顧客や収益、端末のエクスペリエンス全体に対する影響力を減少させ、プライバシーやセキュリティ面の新たな懸念を生じさせる。アップルはまた、EUのユーザー向けに新たなブラウザの選択画面を提供するとしている。
この動きは、大きな財政的影響を伴うことになる。グーグルは、自社の検索エンジンをアップルのモバイル端末におけるデフォルトの検索エンジンにするために、アップルに年間180億〜200億ドル(約2兆9000憶円)を支払っているが、欧州のユーザーは間もなく、12種類のブラウザから好みのものを選択可能になる。
新たに導入されるブラウザの選択画面に表示されるのは、「昨年、EUのApp Store全体で5000回以上インストールされたもの」とされており、グーグルのGoogle ChromeやアップルのSafariに加えて、OperaやマイクロソフトのMicrosoft Edge、MozillaのFirefoxなどが含まれる。さらに、SuSeaのYouやプライバシー重視のDuckDuckGo、Brave、Maple Media AppsのBrowserといった、あまり知られていないアプリも含まれている。