欧州

2024.08.10 18:00

ウクライナ軍の北部「逆侵攻」に5個旅団参加 ロシアの増援、HIMARSで撃破し阻止

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これら5個の旅団は全体として、旧ソ連から引き継いだ兵器もあれば米欧から供与された兵器もある、多種多様な兵器を運用する混成グループになっている。これらの兵器には、米国から供与されたストライカー装輪装甲車、ポーランド製のPT-91戦車、旧ソ連で開発された2S3自動榴弾砲、英国から供与されたAS-90自走榴弾砲、米国で開発されイタリアで改良されたM-109L自走榴弾砲、チェコから供与されたRM-70自走多連装ロケット砲などが含まれる。
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5個旅団以外に、AS-90などの榴弾砲を運用する第49独立砲兵旅団が、クルスク州の戦場から50kmほど離れたウクライナ北部スーミ州スーミ市近郊に布陣している。また、このエリアに第27ロケット砲兵旅団が展開していることもほぼ確実だ。

なぜかと言えば、クルスク州方面に対して米国製の高機動ロケット砲システム(HIMARS)が活発に戦闘を行っているらしいからだ。ウクライナ軍でHIMARSを運用している部隊は第27ロケット砲兵旅団しかない。ウクライナ軍のHIMARSはGPS(全地球測位システム)誘導のM30/31ロケット弾を80kmくらい先までの目標に向けて発射できる。

コーングループは9日、クルスク州の戦場に向かうロシア軍の車列がHIMARSで攻撃される様子とみられる映像をウクライナメディアに公開した。車両に乗っていた部隊は、州内で総崩れになりつつある防御線の増援に向かっていたとみられる。

兵員数百人を乗せた車両数十両からなる大隊規模の車列がスジャの西50kmほどにある町リリスクを通過しようとした際に、ロケット弾が降り注いだ。攻撃後の現場の映像には、複数の破壊されたトラックや多数の兵員の遺体が映っている。

リリスクへの砲撃は、ウクライナ軍の侵攻部隊がこれほど素早く、遠くまで進撃できた理由を知る手がかりになる。味方の砲兵部隊が、敵の増援部隊が戦場に到達するのを阻んでいるようだ。
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砲撃による接近阻止は、ウクライナ軍の作戦で最も大きな危険のひとつを軽減する。レヒが現時点で最も懸念されることに挙げる「前線のウクライナ軍部隊がロシア側によって孤立させられる危険」だ。

ロシア側は、ウクライナ軍の砲撃を切り抜けて侵攻部隊の主力への補給線を攻撃できるようにならない限り、侵攻部隊を孤立させることはできない。そして孤立化が1日遅れるごとに、兵力を増やしているウクライナ側はクルスク州での支配地を広げ、固めていくことになる。

forbes.com 原文

翻訳・編集=江戸伸禎

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