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欧州

2024.08.07 16:30

ウクライナのロシア人義勇兵組織が再び越境襲撃 貴重な兵力の浪費に

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ウクライナ北部スーミ州から越境してロシア南西部クルスク州の国境の町チョトキノに短期間の襲撃を行ってから5カ月後、ウクライナ側に立って戦うロシア人の義勇兵組織、自由ロシア軍団が再び動き出した。

米国製のストライカー装甲車に乗った軍団員は6日、国境を越えてクルスク州の国境近くの町スジャに侵入した。スジャはチョトキノから東へ55kmほどに位置する。自由ロシア軍団はすぐさまロシア軍のT-62戦車2両を撃破し、数人を捕虜にし、ロシア空軍のKa-52攻撃ヘリコプター1機を撃墜した。ヘリの乗員は死亡したもようだ。


何もかも劇的だが、貴重な軍事リソースの恥ずべき浪費と言わざるを得ない。自由ロシア軍団がほとんど軍事的価値のないスジャを徘徊し出すのと同じころ、ウクライナ東部ドネツク州ホルリウカのすぐ西に位置し、ウクライナ軍の防御拠点だった集落ニューヨルクでは、ウクライナ軍の旅団が撤退しようとしていた。ウクライナ軍は戦力が薄く引き伸ばされたかたちになっている。

ウクライナのシンクタンク、防衛戦略センター(CDS)は6日の作戦状況評価で、ニューヨルクを含むトレツク正面について「敵(ロシア軍)は航空火力と砲兵火力による支援を受けながら、大規模な歩兵戦力で圧力をかけている」と報告している。「密集した市街地は敵にとって、歩兵の隠れ場所として好都合なものになっている」とも解説している。

この正面の地形が攻撃側のロシア軍にとって有利なのはそのとおりだろう。それでも、ウクライナ陸軍の第41、第53両独立機械化旅団を主力とするニューヨルクの守備隊は、たとえば自由ロシア軍団の数百人規模の増援が来れば助けになるはずだ。そうした状況にもかかわらず、自由ロシア軍団は現在、ウクライナ側が長期間保持できるとは誰も思っていない国境近くのロシアの町で、少数のロシア人を捕虜にすることに兵士や弾薬を浪費している。

ロシア側はすでに、空軍のSu-25攻撃機で自由ロシア軍団を爆撃しているほか、越境襲撃を支援しているとみられるウクライナ軍のブーク自走式防空システム2両を砲撃で撃破している。予備部隊を動員しているとも伝えられる。

これらはお馴染みのパターンだ。ロシアがウクライナで拡大して2年5カ月半たつ戦争で、自由ロシア軍団をはじめとするロシア人義勇兵組織はロシア側への越境襲撃を繰り返してきた。「襲撃」と表現されるとおり、いずれもウクライナ側が新たな土地を保持することはなかった。
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翻訳・編集=江戸伸禎

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