欧州

2024.08.07 16:30

ウクライナのロシア人義勇兵組織が再び越境襲撃 貴重な兵力の浪費に

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今回も、自由ロシア軍団が数日以内に撤収するのはほぼ確実だ。こうした越境襲撃は、ロシアによるウクライナ侵略戦争という大きな話のなかではすぐに脚注扱いされることになるだろう。では、もし自由ロシア軍団が第41旅団と第53旅団によるニューヨルクの保持を支援していたらどうだったか、想像してみてほしい。
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スジャ襲撃を誰が許可したのかや襲撃の目的はよくわからない。自由ロシア軍団はウクライナ国防省情報総局とつながりがあるが、作戦立案では軍団側にかなりの裁量が認められているのかもしれない。襲撃の目的は実際的なものというより政治的なものである可能性がある。つまり、ロシアに「侵攻」してみせることで、プロパガンダ面で得点を稼ごうという目論見かもしれない。

しかし、襲撃にゴーサインを出したのが誰であれ、ウクライナの最も喫緊の問題を正しく理解していなかったのは明らかだ。十分な訓練を受けた歩兵の不足という問題である。これは、ロシアが昨年、大幅な兵力増強に踏み切ったのと同時期に、ウクライナが新たな動員に関する法案を可決できなかったことによる必然的な結果だ。

ウクライナの議員らは何カ月も逡巡し、動員法がようやく可決されたのは今年4月のことだった。フィンランドのアナリスト、ヨニ・アスコラは「ウクライナの動員法制定は大幅に遅れ、兵士の動員は不十分だった」と指摘している
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「ウクライナはより多くの兵士を動員していれば、前線の陣地を早めに強化し、領土の喪失を抑えることができていた。これは否定できないことだ」とアスコラは続けている。「さらに、ウクライナは多くの部隊で歩兵が不足していて、部隊数自体も前線でも予備でも足りていない」

こうした状況にありながら、ウクライナ軍や義勇兵組織の指揮官が、せいぜいプロパガンダ面での束の間の価値しかない襲撃のために、人命を浪費させるというのは許しがたいことだ。数百人の自由ロシア軍団軍団員は北部で冒険的行動に出るのではなく、東部の防衛に加勢すべきだ。

forbes.com 原文

翻訳・編集=江戸伸禎

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