フロンテリジェンス・インサイトは「6月後半から7月半ばにかけて、ロシア軍は貴重な軍事アセットの大部分をウクライナとの国境(に近い)エリアから移転させた」と説明している。なかでも、ボロネジ・マリシェボ航空基地からのSu-34の引き揚げは「最も注目すべき動き」のひとつだったと指摘している。
現在、多くのSu-34はウクライナとの国境から数百km以上離れたロシア領内の航空基地に置かれている。これらのSu-34も、ウクライナのドローン攻撃からは完全に安全というわけではない。ウクライナの長距離攻撃ドローンには1500km以上飛ぶモデルもあるからだ。
それでも、Su-34を国境からこのくらい引き離せば、最も高性能なものでも射程が300kmにとどまるATACMSや、ウクライナの運用する大半のドローンからは保護できることになる。仮に今後、ホワイトハウスがATACMSを用いたロシア領内の基地に対する攻撃を認めても、もはや手遅れかもしれない。最も高価値の目標は遠すぎて届かない可能性がある。
モロゾフスク空軍基地のような国境に近い飛行場には、少数のSu-34やいくらかの滑空爆弾が置かれることはある。だから今回、ウクライナ側は3機のSu-34や弾薬に被弾させることができた。
だが、ロシア軍による滑空爆弾爆撃を終わらせるには、Su-34を1機や数機ではなく何十機と撃破することが必要になる。ロシアが爆撃機のより「賢い」配備をするようになった結果、ウクライナがそれを達成するのは以前より難しくなっている。
(forbes.com 原文)