欧州

2024.08.07 09:30

ウクライナ、ドローンの越境攻撃でSu-34爆撃機3機に損害 手放しでは喜べず

ロシア・モスクワ郊外のジューコフスキー飛行場に駐機中のSu-34戦闘爆撃機。2019年8月29日(Andrey 69 / Shutterstock.com)

ATACMSの使用をめぐるウクライナと米国の熱のこもった外交交渉を観察していたロシアは、Su-34をボロネジ・マリシェボ航空基地やその他、ウクライナと近い場所にある飛行場から引き揚げるという決断をした。ロシアにしては珍しい事前対応だ。
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フロンテリジェンス・インサイトは「6月後半から7月半ばにかけて、ロシア軍は貴重な軍事アセットの大部分をウクライナとの国境(に近い)エリアから移転させた」と説明している。なかでも、ボロネジ・マリシェボ航空基地からのSu-34の引き揚げは「最も注目すべき動き」のひとつだったと指摘している。

現在、多くのSu-34はウクライナとの国境から数百km以上離れたロシア領内の航空基地に置かれている。これらのSu-34も、ウクライナのドローン攻撃からは完全に安全というわけではない。ウクライナの長距離攻撃ドローンには1500km以上飛ぶモデルもあるからだ。

それでも、Su-34を国境からこのくらい引き離せば、最も高性能なものでも射程が300kmにとどまるATACMSや、ウクライナの運用する大半のドローンからは保護できることになる。仮に今後、ホワイトハウスがATACMSを用いたロシア領内の基地に対する攻撃を認めても、もはや手遅れかもしれない。最も高価値の目標は遠すぎて届かない可能性がある。
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モロゾフスク空軍基地のような国境に近い飛行場には、少数のSu-34やいくらかの滑空爆弾が置かれることはある。だから今回、ウクライナ側は3機のSu-34や弾薬に被弾させることができた。

だが、ロシア軍による滑空爆弾爆撃を終わらせるには、Su-34を1機や数機ではなく何十機と撃破することが必要になる。ロシアが爆撃機のより「賢い」配備をするようになった結果、ウクライナがそれを達成するのは以前より難しくなっている。

forbes.com 原文

翻訳・編集=江戸伸禎

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