スーパーや小売店向けにパック豆腐を生産する豆腐店の倒産と廃業は、2024年の1月~7月までに36件発生。昨年の年間倒産・廃業数の46件を上回るペースで進んでおり、このままのペースで行くと、年間60件台に到達する可能性がある。
量産される豆腐に利用される大豆は米国産が多く、価格は落ち着いてきたものの、円安などの影響を背景に高止まりしている。さらに、電気・ガス代や物流費、容器に使われるプラスチックも値上がりしており、原価に占める割合が高まっている。それでいて、スーバーや小売店では安価で売られることが多く、薄利多売な状態が続いているという。
豆腐価格に占める大豆価格の割合は、コロナ禍をピークに下がってきているものの、11.6%と10%を上回っている。赤字状態が続いていることから、倒産や廃業する豆腐店が増えているとみられる。
一時期、付加価値の付いた豆腐が注目され、冷奴など豆腐そのものの味を楽しむ購買層に刺さったが、お味噌汁などに使う豆腐はスーパーの安売り商品を選ぶことがほとんど。消費者にとっては物価高のなか助かっているものの、豆腐店の厳しい状況をみると価格に転嫁してもいたしかたない状況だろう。豆腐大好きなだけに、品質を保ちつつ、適正な価格で製造を続けてほしいものだ。
出典:帝国データバンク「負債1000万円以上法的整理による倒産、休廃業・解散企業」より