当局の規制
一方、米国政府は常にギャンブルに慎重であり、その結果、予測市場は法的な課題に直面している。これらの市場は先物契約に似ているため、商品先物取引委員会(CFTC)の監視下にある。2022年1月、CFTCはポリマーケットが米国で無登録の営業を行ったとして、140万ドル(約2億円)の罰金を支払うよう命じた。和解の一環として、同社は米国内でのサービスを終了し、海外での営業を続けることを約束した。米国内のユーザーは、厳密に言えばこのサイトで賭けをすることを許されていないが、Similarwebのデータによるとポリマーケットのサイトを訪れる人の25%は米国に拠点を置いており、割合が大きい順に、カナダ(6.3%)、オランダ(6%)、ベトナム(5.9%)、メキシコ(5%)と続く。CFTCとの和解前は、米国からのトラフィックシェアは34%から54%の範囲だった。
コプランは同社の地理的ブロックの取り組みについてコメントを控えたが、フォーブスに匿名で話した元従業員は、「会社はプラットフォームで取引をしてはならないユーザーを排除するために可能な限りのことをしている」と述べている。
競合のPredictIt(プレディクトイット)は、ニュージーランドのウェリントンにあるビクトリア大学との協力のもと、商品先物取引委員会(CFTC)からの通知に基づき、「学術的な研究に利用される」という名目で運営されている。 プレディクトイットも、米国の選挙への賭けを提供しているが、利益に対して10%の手数料を課し、個々の賭け金を850ドルに制限しているため、その合計額はポリマーケットよりもはるかに低く、3100万ドル(約46億円)となっている。
ポリマーケットの未来に関する大きな疑問は、今年の大統領選以降の勢いをどのように維持するかについてだ。しかし、コプランと彼の支持者たちは心配していないようだ。
「予測市場の取引高は、選挙のようなイベントによって促進されることが多いが、不確実性が増す世界では常に大きなイベントが発生している。持続的な成長のもう一つの推進力は、予測を立てることに熱心な人々が増え、他人が本当に信じていることを知りたいという欲求を持つ人々が増えることだ。これは従来のソーシャルメディアでは難しく、生成AIの場合は、大量の不正確なコンテンツを作成しても結果が伴わないため、さらに難しい」と、ゼネラルカタリストのバーガヴァは述べている。
ドラゴンフライのシュミットも、コプランの予測市場が持続的な成長を実現すると考えている。「ポリマーケットは、最終的にクリエイターのエコシステムに新たな市場を形成するポテンシャルを持っている。これは、従来の金融業界にいる競合他社が容易に再現できないものだ。テレビではなく、YouTubeをイメージしてほしい」と彼は語った。
(forbes.com 原文)