「あの頃は、ニューヨーク市が再開する確率や、ワクチンがいつ準備できるか、レストランが再び開くかどうかを知りたかった」と彼は当時を振り返り、「ノイズの中からシグナルを見つけるのは非常に困難だが、それこそが予測市場が最も得意とすることだ」と述べた。
ポリマーケットが最初に開いた賭けは、ニューヨーク市が再開する時期に対する少額の賭けだった。コプランは、その数カ月後の2020年10月にシード資金の400万ドル(約6億円)を、もう一人の暗号資産分野の天才、オラフ・カールソン・ウィーが設立した暗号ヘッジファンドのPolychain Capital(ポリチェーン・キャピタル)から調達した。
予測市場は非常にシンプルなオール・オア・ナッシングの前提に基づいて運営されている。予測が正しければ利益を得るが、そうでなければ資金を失う。ポリマーケットの顧客は、USDC で「アウトカム・シェア」を購入することで、その結果を予測する。アウトカム・シェアは、0.01ドルから 1.00ドルで販売され、その価格がイベントが発生する確率を反映している。ポリマーケットは31日現在で、トランプが大統領選挙で勝利することに賭けるシェアを59セントで提供しており、彼が勝つ確率を59%と予測している。彼が11月に勝利すれば、その賭けは1ドルのリターンをもたらす。
「予測市場は誤情報と戦うための強力な武器になる」と、ベンチャーキャピタル(VC)のゼネラルカタリストのマネージングディレクターで、ポリマーケットのシードラウンドに個人で出資したマーク・バーガヴァは述べている。ゼネラルカタリストは、同社のシリーズAラウンドも主導した。「このプラットフォームは、自分の主張を裏付けるために金銭を賭ける人に後押しされている」と彼は語った。
収益化は後で考える
コプランは、ユーザーの提案をキュレーションし、賭け市場に変えることができるトレンドトピックをインターネット上で探し出す約30人のチームを率いている。ポリマーケットには現在、300以上の市場があり、政治、オリンピック、暗号資産、ポップカルチャー、スポーツ、ビジネス、科学の7つのカテゴリに分かれている。同社は、手数料を徴収しておらず、どのように収益を上げるかについては曖昧だが、将来的な手数料の導入をほのめかしている。「現在はマーケットプレイスの成長と最高のユーザー体験の提供に集中している。収益化については後で考える」とコプランは述べた。
しかし、収益がなく、一部の賭け金の出所に関する疑問があるにもかかわらず、若いコプランはシリコンバレーの寵児だ。著名投資家のテイム・ドレイパーは、フォーブスに寄せたコメントで、「彼はダイナミックで輝いている」と称賛した。