宇宙

2024.08.01 17:00

北斗七星を頼りに「北極星」を肉眼で簡単に見つける方法

星々が巨大な同心円を描く「スタートレイル」の中心に北極星「ポラリス」がある(Getty Images)

あなたは「北極星」を見つけることができるだろうか? 北極星「ポラリス」は、夜空で最もよく知られている星の1つだが、北半球に住む人ならいつでも見ることができるにも関わらず、見つけられる人は少ない。

ボラリスは太陽系から約433光年離れた星系であり、航海士にとって特別な星の1つだ。

今夏、庭先で簡単に見つける方法を含めて、北極星(ポラリス)について知っておくべきことを以下に紹介する。

北極星とは何か?

北極星として知られているポラリスは、地球の北極のほぼ真上に位置している。地軸を北にまっすぐ延ばした先にあるため、夜空をずっと動かないように見える。発見方法をしっていると便利なのは、そのためだ。ポラリスをいつでも見つけることができれば、常にどちらが北かがわかる。

ただし、ポラリスは夜空で最も明るい星ではないので、誤解しないように。実際の明るさは48番目となる。最も明るい星はおおいぬ座の「シリウス」で、11月に現れる。

ポラリスは単独の星ではなく、三重連星だ。見えている光の点は、実際にはポラリスAa星(黄色超巨星)とそれよりも小さいポラリスAb星および両者を周回するポラリスB星の輝きを合わせたものだ。

北極星はどこにある?

ポラリスは、他に明るい星がない領域にある。「簡単に見つける方法を以下に示す。

・まず北斗七星を見つける。北斗七星は、アルカイド(おおぐま座の尾の先、空の最も高い位置にある)、ミザール、アリオト、メグレズ、フェクダ、メラク、およびドゥーベ(下の端)の明るい7つの星で構成されており、日が沈んだ後すぐ、北西の夜空に昇ってくる。

・北斗七星の「ひしゃく」の水をすくう部分に位置するメラクとドゥーベの位置を特定。2つの星の見かけの距離を測る

・次にメラクとドゥーベを使ってポラリスを見つける。メラクを出発点として、メラクとドゥーベ間の距離を東へ4倍伸ばす。そこで見つかる明るい星がポラリスだ

ポラリスは、大きなひしゃく(北斗七星)の反対側に位置する小さなひしゃく、こぐま座の尾の先にある。こぐま座のポラリス以外の星はみな北斗七星の星々より暗いので、空が非常に暗くないと見つけるのは難しい。

米ネバダ州ラスベガス近くのレッド ロック キャニオン国立保護区から見たスタートレイル画像(Getty Images)

米ネバダ州ラスベガス近くのレッドロックキャニオン国立保護区から見たスタートレイル画像(Getty Images)

北極星「ポラリス」が特別である理由

ポラリスは、自転する地球の同じ位置から見ると常に静止しているように見えるため、北の空全体がポラリスを中心に回っているように見える。またポラリスは、地球を北へ行くほど高い位置に見える。北極ではポラリスは常に真上にある。赤道では北の地平線の上で常に静止している。

星々が空を横断して巨大な同心円を描く「スタートレイル」画像を見たことはあるだろうか。あの画像は、北半球でカメラをポラリスに向けた時にしか撮ることができない。

forbes.com 原文

翻訳=高橋信夫

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