キムが率いるカカオは昨年、人気音楽グループのBTS(防弾少年団)が所属する芸能事務所のHYBE(ハイブ)との激しい競争の末、SMエンターテインメントの株式を取得し、経営支配権を得た。金融当局は、カカオと傘下のカカオエンターテインメントの複数の幹部が、ハイブによる株の取得を妨害するために、2400億ウォン(約270億円)相当のSMエンターテインメント株を購入し、株価を吊り上げた疑いで調査を行っていた。
カカオの株価は23日に約5.4%下落し、3万8850ウォンに沈んだ。
カカオとその子会社のカカオエンターテインメントは、SMエンターテインメントの株式の40.28%を保有している。カカオは、20.97%を保有する筆頭株主で、カカオエンターテインメントは19.31%を保有している。ハイブも12.58%を保有している。
キムは、フォーブスが4月に発表した韓国の富豪ランキングで6位にランクインし、当時の保有資産は45億ドル(約7017億円)とされたが、現在の資産は33億ドル(約5140億円)に減少している。
現在58歳のキムは、貧困家庭で育ち、ソウル大学を卒業後にサムスンのITサービスグループで5年間働いた後、1998年に韓国初のオンラインゲームポータルを運営するハンゲームを設立した。彼が2010年に設立したカカオは、メッセージングアプリとして始動し、決済やフードデリバリー、タクシーの配車にも対応するスーパーアプリへと進化した。2021年に設立されたカカオエンターテインメントは、ウェブトゥーン(デジタル漫画)事業などで知られ、韓国最大の音楽ストリーミングサービスであるMelon(メロン)を所有している。
(forbes.com 原文)