シティは、突然の価格急騰はまずないだろうとの見方をとりながらも、米国の中央銀行が金利の引き下げサイクルに入るなかで、「短期的に見た価格上昇は妥当な展開だ」としている。とはいえシティは、長期的な見込みは弱含みだとも述べた。
長期的には弱含みだとしつつも、需給状況については、高レベルで続いていた供給過剰を脱する、とシティは予想している。これまでは、自動車触媒やジュエリーのリサイクルが供給レベルを押し上げていたが、複数鉱山の閉鎖をきっかけに、今後数年は供給不足が生じるという。
このように、経済の全体的な状況から、投資家たちは、プラチナやパラジウムを保有するプロ向けの上場投資信託に魅力を感じ始めている。
投資家がプラチナとパラジウムに新しく関心を持ち始めた背景には、複数の要因がある。ハイブリッド車とEVのシェア争いに加えて、これまでほぼ忘れられてきたが、この2つの金属も貴金属の仲間であり、資金の安全な避難先となり得る点に目が向けられている。
米国の政策金利が引き下げに転じるのは今や時間の問題であり、早ければ9月中にも引き下げが行われる可能性もある。そうなれば、既にかなりの値上がりを記録している金と銀にとっては、朗報とばかりは言えないかもしれない。
プラチナとパラジウムが、金と銀の先例にならい、現在の底値から大幅に値を上げて、拡大効果を発揮する。そんな状況が、間もなくやってくるかもしれない。
(forbes.com 原文)