優先順位を徹底的に決める
「効率アップのコツ」として筆者が真っ先に挙げたいのは、優先順位の決定だ。なぜなら、これは何よりも大事なポイントだからだ(そう、筆者はこの文章で優先順位を明確にしている)。1日のはじめに、すぐに対処すべきタスクと、後回しにしてもかまわないタスクを見極めよう。徹底してやりたいなら、「アイゼンハワー・ボックス」がお勧めだ。シンプルな意思決定ツールで、タスクを「重要かつ緊急」「重要だが緊急ではない」「重要ではないが緊急」「重要でも緊急でもない」の4つに分類する。
優先順位を決めれば、一度に1つのタスクに集中しやすくなる。マルチタスクした方が効率がよさそうに見えるが、実際には、生産性の低下とミスの増加を招くことが多い。そして、マルチタスクはシングルタスクより面倒なものだ。なぜなら、タスクというものは、1つだけでも面倒なものだからだ。
1つのタスクに集中したほうが、作業の質が上がる。タスクを絶えず切り替える必要がないため、実際には全般的な進行スピードが上昇する。
作業環境を整える
物理的な環境や、デジタル上の環境は、生産性を大きく左右する。ワークスペースが散らからないよう、余計なものはできるだけ排除しよう。植物などがあると心が和むが、ないほうがいい。座り心地のいい椅子と、作業しやすいデスクを購入して、正しい姿勢を維持し、体への負担を軽減しよう。
デジタル上の環境については、パソコン画面を常にすっきりと保つべきだ。デスクトップ画面にあるファイルを分類し、使っていないタブやアプリケーションを終了するなどして、整理しよう。
テクノロジーはまた、ありふれた日常業務を自動化するのにも役立つ。ショートカットや機能をあれこれ試して、ワークフローの向上を図ろう。目指すのは、一度に打つキーの数が少ない、タイピングの達人だ。
コミュニケーションをうまくとる
コミュニケーションのとりすぎは、大いなる時間の無駄だ。その代表格が、必要のない会議と言えるだろう。効率よく意思疎通が図れるよう、メールやメッセージの文面は簡潔にし、可能なら、会議はどんどん減らそう(これが鉄則だ)。会議を減らそうとすれば、「ノー」と返事することが増えるが、そのおかげで、自分ができることをもっと現実的に考えられるようになる。
コミュニケーションの効率アップにあたっては、Slackなど非同期型コミュニケーションツールの利用を検討しよう。こうしたツールなら、利用者は、自分に都合のいいペースで、期日までに返事をすることができる。
ペースを落とす
これについては、効率アップに反すると思われるかもしれない。しかし専門家によれば、定期的に休憩をはさんでペースを落とすと、燃え尽きにくくなる上に、生産性が全般的に向上するという。休憩は、1日を通してとろう。例えば、作業を細かい間隔に分割するポモドーロ・テクニックを使うのも一つの手だ(25分作業をしたら5分休むというパターンが一般的)。このようなやり方を取り入れると、新鮮な気分が維持できて、集中力も途切れない。
また、仕事のない日には、自分を振り返る時間を設けよう。そうすれば、自分の足を引っ張っているパターンが見えてくるので、修正することができる。
(forbes.com 原文)