低迷が続く中国経済
中国の経済成長は低迷しており、不動産市場の不調などが原因で、2024年第2四半期のGDPの伸び率は4.7%と、第1四半期の5.3%から低下した。さらに、中国では個人消費の低迷も続いている。中国の小売販売はデフレのため1年半ぶりの低水準に落ち込んだが、これは企業が販売価格を引き下げながら給与も引き下げているためで、若者の失業率は5月時点で約14%と高止まりしている。eコマース分野における競争も激化している。低価格を売りにするeコマースプラットフォームの拼多多(ピンドゥオドゥオ)やTemu(テム)を運営するPDDホールディングスは、景気低迷による消費者の低価格志向を追い風にシェアを拡大しつつある。一方で、アリババが運営するオンラインモールの淘宝網(タオバオ)と天猫(テンマオ)の売上高は、前年同期比約4%増の932億元(約2兆円)に留まった。アリババのクラウド・コンピューティング事業も成長が大幅に鈍化しており、直近四半期の売上高はわずか約3%の成長だった。これは、コロナ禍で急増したリモートワーク、オンライン教育、ビデオストリーミングなどへの需要が減速したことなどが原因だ。また、ハイエンド半導体に関する米国の対中規制も、同社のビジネスに何らかの影響を与えている可能性がある。