「当社は、市場の変動や潜在的な課題を十分に考慮し、直近の逆風に注意深く対応しようとしている」と、ビンファストのトゥイ・レ会長は7月12日の声明で述べている。「私たちの強固な長期戦略と実行能力は、グローバルのEV市場の進化するニーズに応えようとしている」と彼女は続けた。
ビンファストは、この変更によってノースカロライナ州に建設予定のEV工場の商業生産の開始時期を、当初の計画の2025年から2028年に先送りすると述べている。米国工場の第1フェーズに14億ドル(約2200億円)を投資する予定だった同社は、インドとインドネシアにも工場を建設する計画を発表していた。
「この決定により当社は、資本配分を最適化して支出をより効果的に管理し、短期の成長目標の達成と既存事業の強化により多くのリソースを配分する」とビンファストは声明で述べている。
テスラなどのライバルとの競争や世界のEV市場への参入に苦戦したビンファストは、経済情勢の不透明さを理由に、今年のEV出荷目標を10万台から8万台に引き下げた。同社の今年上半期の納車台数は、前年同期比92%増の2万1747台だった。
保有資産が42億ドルのファムは、北米や欧州、アジアでのビンファストの拡大計画を推し進めてきた。同社は、香港のカジノ王ローレンス・ホーが支援する特別目的買収会社(SPAC)との合併により、昨年8月にナスダックに上場した。ビンファストの株価は、上場直後に一時80ドルを上回ったが、それ以降に約90%下落し、現在は5ドル未満で取引されている。
(forbes.com 原文)