セキュリティ企業カスペルスキーの研究者は、五輪のチケットを特別価格で提供したり、完売したはずの競技のチケットを販売すると謳う詐欺サイトへの警戒を呼びかけている。
「この種の詐欺は、以前から繰り返されているが、2024年のパリ大会でも同様のウェブサイトが急増することが予想できる」と同社は述べている。詐欺サイトの中には、ユーザーの個人データをダークウェブで転売する業者のものもあるという。
さらに、五輪に出場する選手の家族が被害に遭ったケースも報じられている。BBCは先月、パリ五輪に出場する英国の水泳選手マシュー・リチャーズの家族が2500ポンド(約51万円)をチケット詐欺で奪われたと報じていた。
このような詐欺サイトは、グーグルの検索結果の目立ちやすい位置に表示される場合もあるようだ。セキュリティ企業Proofpointが特定した詐欺サイトの1つは、パリ五輪のチケットを検索した際に、公式ウェブサイトに次ぐ2番目に表示されるスポンサー枠に表示されていた。
フランスの当局は、これまで338件の五輪のチケット詐欺のサイトを特定した。そのうち51件はすでに閉鎖され、140件は法執行機関からの通告を受けたが、多くのサイトが依然として運営を続けているという。
そんな中、抽選で無料のチケットを提供すると謳う詐欺サイトが個人データの入力を求める事例も確認されたとカスペルスキーは述べている。あるケースでは、サイバー犯罪者らがフランスの銀行を装い、チケットが当たるチャンスを提供すると約束していた。
また、五輪の期間中に使用可能な48GBのデータパッケージつきの無料のSIMカードを提供すると謳うサイトが、個人情報の提供を求めるフィッシング詐欺も確認されている。
「詐欺師たちは、オリンピックのような巨大イベントを利用して、人々の興奮や焦燥感につけこもうとしている。そのため、あらゆるオファーに対して、懐疑心を持って臨むことが大切だ。もし何かが本当にはあり得ないほど良い話に思えるなら、それはおそらく嘘なのだ」とカスペルスキーのチームは述べている。
(forbes.com 原文)