Galaxy Ringの価格は399ドル(約6万3000円)で、第3世代のOura Ring(299ドル)よりも高価だが、2つのデバイスには重要な違いがある。Oura Ringは、すべての機能を利用する場合に月額5.99ドルを支払う必要があるが、サムスンのデバイスは月額費用なしで利用可能だ。
サムスンの製品スペシャリストのリー・ディナムは、先に行われたブリーフィングで、このようなことが可能なのは、同社がGalaxy Ringの追加費用を負担できるからだと述べていた。
これは恒久的な決定であり、サムスンは将来的に利用料金を請求する予定はないとディナムは語ったが、筆者は、同社がこのような動きに出た背景にはサムスンヘルスのアプリがあると考えている。サムスンは、以前からヘルスアプリを通じて睡眠や心拍数、心電図などを測定するインフラを保有している。Galaxy Ringを同社の製品ラインナップに加える上で、一から新たなシステムを構築する必要はなく、コストがかからないことは明らかだ。
サムスンのデバイスに追加の月額費用が発生しないことは、新たなウェアラブル製品を購入したいが、月額利用料の支払いがさらに増えることを懸念している人にとっては朗報だ。
しかし、筆者はここで少し懐疑的な見方をしてみたいと思う。なぜならサムスンは、Galaxy Ringを含む同社のデバイスに搭載された人工知能(AI)機能のGalaxy AIを無料で提供する期間を「2025年まで」と繰り返し強調しているからだ。
Galaxy RingのAI機能は、Galaxy AIの下にある可能性があり、サムスンがAIに料金を支払う必要があると判断すれば、その影響を受けることも考えられる。
一方、サムスンのウェアラブルは、競合のOura Ringにとって深刻な脅威になる可能性のあるデバイスだ。サムスンは自社のウェアラブルデバイスを売り込むための、膨大な顧客層をすでに抱えている。
Galaxy Ringの一部機能、例えば、携帯電話のアラームを解除するためのジェスチャーコントロールなどは、サムスンのスマートフォンを持っている人のみがアクセスできる。また、Galaxy RingとGalaxy Watchをいっしょに装着すると、より正確な健康データとより長いバッテリー寿命が得られるとサムスンは述べている。
バッテリー寿命の向上や測定精度の向上に加えて、月額利用料が不要な点は、すでにサムスンのデバイスを持っている人々にとって大きな魅力と言える。
編集注:Galaxy Ringは現在、日本では未発売
(forbes.com 原文)