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2024.07.11 11:30

金ETF、2カ月連続で資金流入 運用額は「37.6兆円」

Christopher Furlong/Getty Images

ワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)によると、6月の金上場投資信託(ETF)への資金の流出入額は、2カ月連続の流入超過だった。

WGCによると、金ETF全体の金保有量は先月約18トン増加し、3106トンとなった。金額ベースの流入額は14億ドル(約2262億円)となり、運用資産(AUM)は2330億ドル(約37兆6000億円)となった。

しかしながら、AUMは5月から4億ドル(約646億円)減少しており、これは地金価格が前月の1オンスあたり約2450ドルの記録的な高値から後退したためである。

WGCは、「(6月の)資金流入が見られた地域は広範囲に及び、北米が2カ月連続で緩やかな流出となった以外は、すべての地域で流入超過となった」と述べた。

また、「全体として、主要国における国債利回りの低下とドル以外の通貨安が、投資家にとっての金の魅力を高めた」と付け加えた。

しかし、5月と6月の流入超過にもかかわらず、WGCは、今年の1~6月期は2013年以来、世界の金ETFにとって最悪の上半期であったと指摘している。

WGCは、同期間において「欧州と北米で多額の流出があったが、その中でも唯一、アジアでは流入があった」という。上半期の流出合計は120トン、金額ベースで67億ドル(約1兆円)に上った。

しかし、直近の資金流入と堅調な金価格の動向により、AUMは前年同期比8.8%増となった。

世界最大の金ETF市場である北米では、保有量は前月比8トン減の1565トンとなった。AUMは約5億7300万ドル(約925億円)減少し、1170億ドル(約19兆円)となった。

WGCは「地政学的リスクの再燃が散発的な資金流入を促した」と付け加えたものの、「国債利回りが低下したにもかかわらず、ドル高と継続的な株高により投資家の関心が金から遠ざかった可能性がある」と述べた。

このため、上半期の資金流出額は49億ドル(約7919億円)となり、過去3年間で最大となった。

欧州とアジアは引き続き増加

しかし、北米における先月のさらなる資金流出は、欧州とアジアにおける資金流入によって相殺された。

欧州では、ETFによる金現物保有量は18トン増加し、合計で1303トンとなった。AUMは14億ドル(約2262億円)増加し、980億ドル(約19兆円)となった。

WGCは、欧州各国の中央銀行が金利を引き下げたか、引き下げを示唆したため、「国債利回りの低下が、この地域における資金流入の主要因となった」と述べた。また、「株価の下落や、英国とフランスの選挙に関連する政治的な不確実性」も、金ETFへの資金流入に貢献したと付け加えた。

しかし、6月は流入超過となったものの、上半期では、欧州の金ETFは80億ドル(約1兆2000億円)の資金流出となり、この11年間で最悪を記録した。

6月におけるアジアのETFへの流入は7トン、金額ベースで5億6000万ドル(約905億円)の資金流入となり、現物保有量は179トンに増加した。これにより、同地域のAUMは140億ドル(約2兆2000億円)となった。

WGCは、「アジアの資金流入は主に中国が牽引したもので、株安と不動産セクターの低迷が続き、人民元安が続いたことが大きく影響した」と指摘した。

アジアの資金流入はこれで16カ月連続となり、上半期で見ても好調だった。上半期における41トンの流入は、過去最高の記録だった。

forbes.com原文

翻訳=江津拓哉

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