アート

2024.07.11 14:15

ニューヨークの革新的アートビジネス:SHIN GALLERYの挑戦

【成功の鍵】とは?

特に誇りに思う瞬間や経験したことを共有してほしい。

シン氏:自分はまだ成功と呼ばれるには若すぎると思っていますが、一つ言えることは、自分の好きなことをやり、心の声に従っていれば、人々はそれを成功と呼ぶということです。

若くして発掘したアーティストが世間に認知されていく時に特に誇りに思います。マシュー・ウォン(Matthew Wong)、シ・オン(ヒョン・ギョン)(Si On (Hyon Gyon))、アンドレアス・エメニウス(Andreas Emenius)など彼らが美術館で展示されたり、収蔵されたりする時に大きな満足感を感じます。

アートビジネスを始めようとしている若い起業家にアドバイスをお願いします。

シン氏:10年前、自分は本格的なアートコレクションを持っていませんでした。最初の200ドルの浮世絵を購入してから、現在ではピカソの絵を所有し、自分のコレクションをナッソーカウンティ美術館で展示するまでになりました。それは公共美術館で単独のコレクション展示を行った最年少の人物として記録されています。非常に困難な旅でしたが、それだけの価値がありました。アドバイスできることといえば、継続し、リスクを取ることが重要です。また、すべてを一人で成し遂げたわけではなく、キュレーター、コレクター、ライター、ギャラリースタッフなど、多くの人々の助けを受けました。周りの助けなしでは不可能だったことを考えると、時々自分が過剰に評価されていると感じることもあります。

【アート市場の今後】

ギャラリーの今後の計画は? また、アート市場がどのように進化すると考えているか?

シン氏:本を出版し、博物館を開くことを考えています。正直に言うと、常にさまざまな可能性を考えており、計画と夢を分けるのが難しいです。非常に野心的であり、特定の年齢までに何かを達成するための具体的な計画を立てたくありません。機会が予想よりも早く訪れることもあるため、その時にチャンスを逃さないように常に準備しておきたいです。何かを試みなかったことや、チャンスを逃したことを後悔したくありません。常に準備し、正しい決断を下し、アート界に最大の影響を与えたいと考えています。
現在、アート界は困難な時期を迎えていると思います。ブルーチップアーティストはもはやブルーチップではなく、新進気鋭のアーティストは長続きしません。ギャラリーは開店してはすぐに閉店し、人々は自分の目でアートを見るのではなく、アートを理解しようとしています。今こそ、真の鑑定家が必要な時です。良いアートは永遠に残ると信じています。

後半につづく

文=西村真里子

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