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2024.07.14 10:00

自閉症も多動性も個性であり力 職場を進化させる「ニューロダイバーシティ」

米国国立医学図書館の調査によると、世界人口における発達障がいの割合は推定15~20%に上る(Getty Images)

また、発達特性を持つ女性の多くは多様かつ率直なコミュニケーション方法(裏表のある行動、復讐といった発想を持たない人が多い)を通じて、同僚とより純粋な人間関係を築ける。さらにはこうした新しいコミュニケーション方法が職場全体に広がることで、誰もが批判を恐れず、自身の考えを自由に述べられる雰囲気が生まれる。
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加えて、注目したいのは紛争解決能力だ。発達障がい者の中にはチーム内で意見が対立した際などに、双方の意見を創造的な思考で分析し、互いが理解し合える共通点を見つける能力に秀でた人もいる。

3. 緻密なタスクへの集中力

一般的に女性は男性よりも細部まで気を配れるが、とりわけ発達特性を持つ女性の多くは、緻密なタスクを得意とする。この能力は企業にとって大きな戦力となるはずだ。

例えば複雑な問題に取り組む際は、まずその構成要素を分解し、一つ一つ分析していく必要がある。そして発達特性を持つ女性の多くは、この分野のエキスパートだ。彼女らの体系的な分析により、チームのメンバーは問題の全体像を把握し、より多くの情報に基づいた解決法を検討できるようになる。

こうした鋭い観察眼を持つ女性たちは、プロジェクト管理にも長けている。数個のタスクであれ多数のタスクであれ、必要な要素をすべて考慮し、見落としなど決してない体系化された計画を立てる。
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あまり認識されていないが、品質管理と品質保証は細部への目配りが必要な重要分野だ。この分野では発達特性を持つ女性による、潜在的な欠陥や矛盾を発見し、基準からの逸脱を特定する能力が際立つだろう。

4. 絶大な共感力が職場環境をのびやかに変える

職場で過小評価されがちなスキルに「共感力」がある­。だがおそらく共感力は、特にリーダーに求められる最も重要なスキルの1つだ。最近の研究によると、共感力を備えたリーダーシップは部下のやる気を引き出し、開発力を向上させ、また、互いを尊重する雰囲気の醸成など、さまざまなプラスの変化をもたらすという。ひいてはそれが高い効率性、創造性、収益性にもつながる。
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翻訳=猪股るー

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