スポーツ

2024.06.29 16:00

セリエA・ユベントスは「デジタルの力」で影響力を強める

この新しいラボでは、ユベントスが著名なソーシャルメディアのアカウントやクリエイター、インフルエンサーとパートナーシップを結ぶことで、ブランド認知度を高め、クラブがさまざまなデジタルプラットフォームに抱える計1億7500万人のフォロワーに響くコンテンツを生み出すことを可能にする。

「目標は、我々が戦略的と判断したパートナーシップを通じて、リーチを拡大することだ」とアームストロングは話す。「パートナーはすべて、ユベントスとともに変革を起こせる相手という理由で選んでいる」

中長期的に見ると、ユベントス・クリエイター・ラボには、収益を生み出す存在になるという強い商業的な目的がある。

セリエAが国内のテレビ局と、収益面で満足のいく契約を結ぶのが難しいこともあり、イタリアのサッカーは、放送からデジタルへの過渡期にある。そこでユベントスは、デジタル空間に、利益の上がる独自のスポンサー契約を結ぶ絶好の機会があると見ている。

「デジタルの成長を重視することは、世界中で見られる視聴パターンの変化を補完するものだ」とアームストロングは述べる。

ユベントスがオリジナルコンテンツを発信するのは、今回が初めてというわけではない。2023年には、膝の大怪我から復帰したストライカー、フェデリコ・キエーザのドキュメンタリーを公開している。ユベントス・クリエイター・ラボでは今後、ブランデッドコンテンツの制作を増やし、クラブが知的財産権を販売して収益化できるようにするという。

「我々は、以前よりもはるかに多くのコンテンツを販売できるようになった」とアームストロングは述べる。

イタリアサッカーのビジネスモデルは、いまだに試合結果に大きく依存しているが、アームストロングは、ユベントスがデジタル空間を活用することで、最終的には、ピッチ上の出来事から離れた収益源を生み出すことができると楽観視している。

「ここ数年は、選手や成績が低調だった時期にも成長を示すことができた」とアームストロングは話す。

コンテンツが現代サッカーの目玉として拡大し続けるなか、ユベントスは、ストーリーテリングとメディアリーチに注力してファンの要望に応えつつ、デジタル世界にいまだ眠る収益可能性をすべて解き放とうとしている。

forbes.com 原文

翻訳=高橋朋子/ガリレオ

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