規制当局の承認を条件としたこの取引で、両社はまず17.5億シンガポールドルを投資し、新株予約権がすべて行使された時点で、さらに12億4000万シンガポールドルを投資する。KKRはSTT GDCの14.1%を、シングテルは4.2%を取得することになる。
テマセクが支援するSTテレメディアの子会社であるSTT GDCは、世界でも最も急成長しているデータセンター運営会社の1つで、11の地域にまたがる20以上の主要ビジネス市場で、合計容量1.7ギガワットを超える95のデータセンターを運営している。
「当社は、10年前の創業以来、アジアや英国、ヨーロッパで大きな足跡を残し、世界最大のクラウドおよびエンタープライズ顧客の成長を支えるトップクラスのデータセンタープロバイダーへと発展しました」と、STT GDCのCEOのブルーノ・ロペスは声明で述べている。「業界がかつてないクラウドとAI主導の成長を経験する中、KKRとシングテルの戦略的パートナーシップは、デジタルインフラ業界をリードする当社の次の成長段階にとって重要な推進力となるでしょう」とロペスは続けた。
KKRは、クラウドコンピューティングや新興のAIアプリケーションを動かすために必要なデジタルインフラに対する需要がアジア全体で高まる中、データセンターへの投資を強化している。ニューヨークに拠点を置く同社は昨年9月、シングテルの地域データセンター事業であるNxeraの株式20%を11億シンガポールドルで取得した。
シンガポールに拠点を置くシングテルは、テマセクを筆頭株主に持つ東南アジア最大の通信会社で、アジアやオーストラリア、アフリカの21カ国において7億8000万人以上の携帯電話契約者を抱えている。また、これらの地域でデジタルインフラの提供も行っている。
「急速なデジタル化や人工知能(AI)の普及を背景に、この分野が世界中で目覚ましい成長を遂げている今、私たちはデータセンターを成長資産であり、魅力的な投資先であると捉えています」と、シングテルのグループ最高財務責任者(CFO)のアーサー・ランは述べている。
データセンター事業は、世界で最も急速に成長している地域の1つである東南アジアで活況を呈している。ここ数カ月で米国のハイテク大手のアマゾンやグーグル、マイクロソフトらは、AI技術の普及を加速させるため、この地域全体にクラウドコンピューティングインフラを構築する計画を発表した。
(forbes.com 原文)