初開催となった昨年は、約2万1千人の来場者を記録。日本のコレクターやオーディエンスには海外のアート作品を鑑賞できる機会を、また、海外に向けて日本特有の文化や優れた現代アート作品を発信する機会となった。第2回の開催となる今回は、世界18カ国から69のギャラリーが集結する。
日本初出展を含む各ギャラリーの見どころ
ギャラリー展示については、「Galleries」「Hana」「Eda」という3つのセクターで、テーマごとに作品を楽しむことができる。以下に見どころを紹介したい。1. Galleries(ギャラリーズ)
日本と海外のギャラリー作品を展示するセクター。今年、都内にギャラリーをオープンする大手グローバルギャラリーの「Pace Gallery」がRobert Longoの個展を出展する他、今秋に世界8拠点目でアジア初拠点となるギャラリーを都内にオープンするフランスの「Ceysson & Bénétière」の作品をいち早く目の当たりにすることができる。2. Hana ‘Flower'
Hanaセクターでは、23のギャラリーが、それぞれ若手〜中堅アーティスト1、2 人による作品を展示する。ロンドンの「Alison Jacques」が本フェアのためにキュレーションした英国人アーティスト Sophie Barberの新作の個展や、東京の「MISAKO&ROSEN」とアメリカ、ミルウォーキーの「The Green Gallery」の共同展示による作品を展示する。
3. Eda ‘Branch'
アジア出身の有名アーティストや歴史的に重要なアーティストの作品を展示するセクター。今回は 8つのギャラリーが参加する。マドリードの「VETA by Fer Francés」は、フィリピン人アーティスト Manuel Ocampoの絵画作品を通じて、植民地時代の図像、ユダヤ教やキリスト教の伝統や、民俗芸術、スペインのカトリシズム、マニラのアンダーグラウンド・カルチャー、漫画、グラフィティなどを組み合わせた挑戦的な手法で芸術の歴史を再考する。
トークやワークショップ、多角的なアート体験
この他にも、国籍や世代の異なる女性アーティスト4人にスポットライトを当て、社会課題をテーマにした展示「Tsubomi ‘Flower Bud’」や、5つの大規模なインスタレーションによる展示が注目の「Sato “Meadow”」、小田原文化財団や福武財団など、国内を代表する複数の財団による特別展を楽しめる「Ne ‘Root’」などの充実したプログラムを設ける。また、カルダー財団理事長のアレクサンダー S.C. ロウワー、ペースギャラリーCEOのマーク・グリムシャーなど、各界のオピニオンリーダーによるアートトークも開催される。
今年の新たな取り組みとしては、出展アーティストによる子ども向け無料ワークショップ「IntoArt」がある。名和晃平とキュレーターの丹原健翔が監督を務め、出展アーティストがナビゲーターとなり、子どもたちはアートを学び、作品づくりの楽しさを体感することができる。
一般のアートファンにとっても、美術関係者やコレクター、オーディエンスなど、アートコミュニティのさまざまなステークホルダーをつなぐ場に参加できる、貴重な機会になるはずだ。