YouTubeの登録者数世界トップに「ミスタービースト」、2億7100万人

MrBeast(Chris Unger/Zuffa LLC via Getty Images)

MrBeast(Chris Unger/Zuffa LLC via Getty Images)

MrBeast(ミスタービースト)の名前で知られるユーチューバーのジミー・ドナルドソンが運営するチャンネルの登録者数が6月6日、インドの音楽レーベルT-Series(Tシリーズ)を抜いてYouTubeで世界最多となった。
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2019年からトップの座に君臨していたTシリーズのチャンネル登録者数が2億6600万人であるのに対し、ミスタービーストの登録者数は2億7100万人に達した。

ミスタービーストは、視聴者に島をプレゼントしたり、ランボルギーニをシュレッダーにかけたり、「○○ができたら1000万円の賞金」といった企画などで人気を博して世界トップの座に輝いた。

彼は、今日の自身の成功が「忍耐強さによるところが大きい」と、昨年のフォーブスのインタビューの中で述べていた。YouTubeのアルゴリズムを解読するには膨大な時間と努力が必要で、「仕事というよりはライフスタイルに近い」とミスタービーストは述べていた。
彼は、10代の数年間をYouTubeの研究に没頭して過ごし、現在も日常生活の大半は自身のチャンネルに費やしているという。「みなさんは私のようになるべきではない。私には人生もないし、人格もない」と彼は述べていた。
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ミスタービーストは常にアナリティクスを測定しており、クリック率やリテンションの向上のために、動画のサムネイルの明るさを変えたり、人工知能(AI)ツールで画像を加工したりしている。

彼にとっては、動画の再生回数がすべてだ。ミスタービーストは、何年にもわたってコンテンツを作り続けた後、2017年に40時間をかけて1から10万まで数える動画で数千万ビューを獲得し、一躍有名になった。それ以来、彼は人目を引くスペクタクルと大量のプレゼントで人気を博してきた。

転機となった10万まで数える動画以降、ミスタービーストはホームレスに数千ドルを手渡したり、イカゲームをリアルに再現したりしてきた。彼の行動は時に物議を醸しており、注目を集めるために慈善活動を行っていると非難されることもある。

Amazonプライムのゲーム番組

ミスタービーストはYouTubeの世界で王座を獲得したかもしれないが、彼の魅力はその枠を超えて広がるのだろうか? 彼は、Amazonプライムビデオと契約を結び、『Beast Games(ビースト・ゲームズ)』というゲーム番組に出演する予定だ。この番組は、1000人の出場者が500万ドル(約7億8000万円)というテレビ史上最高額の賞金をかけて競い合うもので、史上最大のリアリティコンペティションシリーズになることを目指している。

ミスタービーストは、YouTube以外では「Beast Philanthropy」と呼ばれる慈善団体を設立し、一時期は、自身のファストフードチェーン「ミスタービースト・バーガー」を宣伝していた。しかし、このハンバーガーが「極めて不快」で自身の評判を落とすリスクがあるとして、同店を運営するダイニング会社を訴えた。

ミスタービーストのカリスマ性が、YouTube以外でも通用するかどうかは疑問だ。彼は、自身の性格が今後の成長の制約となると考えており、カメラの前で心を開くことが「視聴者から嫌われるリスクをともなう」ことを認めている。

結局のところ、ミスタービーストの動画が人気を博している理由は彼自身にあるのではなく、彼の行為や、彼が使ったり、浪費したり、プレゼントしているお金にあるのだ。記録的なチャンネル登録者数を打ち立てた彼が、ストリーミングの世界でも成功するかどうかはまだ分からない。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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