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2024.06.11 08:00

中国の玩具メーカーPOP MARTが次の「米国市場拡大」を狙う企業になるまで

POP MARTは昨年12月、米ロサンゼルスのショッピングモール「センチュリーシティ」への出店に合わせて、同社にとって米国で初のIPとなる「ピーチ・ライオット・ライズ・アップ」のシリーズを発売。最初の30日間で1万4000個以上が売れたという。

POP MARTはこれまでに、カリフォルニア州、ニュージャージー州、ワシントン州に8店舗をオープンし、ネバダ州ラスベガスにも先月オープンしたばかりだ。また、15カ所に自販機も設置している。

米国では2022年9月にニュージャージー州の大規模なショッピングモール「アメリカンドリーム」に初の常設店を開いた。その後、カリフォルニア州とワシントン州で出店を続け、今年はさらに10店舗をオープンする予定だ。

POP MARTの北米事業を統括するラリー・ルーは「総売上の50%を海外市場が占めるようにしたい。すでに20〜30%に達している」と話す。「昨年は海外の売上高が100%増加した。ポップカルチャーを引っ張る米国は非常に重要な市場だ」

楽しい店舗に

ルーは、商品が高品質で細部までこだわっていることと併せて、店内環境や自販機さえも「楽しく、喜びに満ちた」ものにすることに重点を置いたことが成功につながったと分析している。

「購入プロセスをドラマチックかつ楽しめるものにしたいと考えている。当社のロボストアは普段目にする自販機とはまったく違なり、人々が商品購入時に撮影しているのを見かけることが多いのはそのためだ」

POP MARTは、ショッピングセンターへの出店をテストしたり、迅速にブランドの浸透を図ったりするために、あるいはショッピングセンターで店舗スペースの空きが出るのを待つ必要がある場合に自販機を設置している。世界各地の店舗の規模は通常92~185平方メートルで、数は少ないながらも278~5464平方メートルと大型の旗艦店もある。

当初はアジア発のデザインのものを輸出していたが、今では米国で展開する商品を増やすために欧米の独立して活動しているアーティストやブランドと積極的に提携しているという。ルーによると、新しいカテゴリーにはぬいぐるみも含まれ、幅広いチャネルで消費者との接点を増やすためにゲームやアニメ、テーマパークにも手を広げている。

「当社の店舗での買い物が楽しいとよく耳にする。これは当社が楽しい買い物体験にしようと努めているからだ」とルーは話す。「人々は当社の店舗を見つけて、楽しんでいる。事業拡大を目指す中で、その土地の美学や地元のアーティストとの協業が当社にとって非常に重要なのはそのためだ。米国で果敢に事業を拡大していきたい」

forbes.com 原文

翻訳=溝口慈子

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