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2024.05.29 15:25

「お目通し」とは?ビジネスシーンでの使い方を例文付きで解説

「お目通し」の意味とは

「お目通し(おめどおし)」とは、「最初から最後まで一通り見ること」や「短時間でざっと目を通すこと」を意味する言葉です。「目通し」に接頭語の「お」がついた敬語表現であり、上司や取引先など目上の人にも使用できます。


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「お目通し」の使い方と例文

お目通しください

「お目通しください」は、上司に対して書類や資料に目を通してもらうよう依頼する際に使うフレーズです。取引先や社外の人に対しては、「お目通しくださいますようお願い申し上げます」のように、より丁寧な表現にしましょう。

例文:

資料ができましたので、お目通しください。

お手すきの際にお目通しください。

お目通しいただく

「お目通しいただく」は、「お目通し」に、謙譲語の「いただく」をあわせた言葉で、自分がへりくだっている表現のため、相手に敬意を示すことができるフレーズです。「お目通しいただく」は、疑問形で用いて、資料などに目を通してくれたかの確認の表現としても活用できます。

例文:

企画書にお目通しいただき、ありがとうございます。

先日資料をお送りしましたが、お目通しいただけましたでしょうか。

お目通し願います

「お目通し願います」の「願います」は、敬語表現ですが、「よろしくお願いいたします」や「よろしくお願い申し上げます」よりも、丁寧な印象を受けづらく、人によっては失礼だと感じる恐れがあるため、使用する際は注意が必要な表現です。目上の人に対して使う際は、「お目通しよろしくお願いいたします」のように、より丁寧な表現を使うようにしましょう。

例文:

お送りした資料のお目通し願います。

お目通しのほど、よろしくお願い申し上げます。

お目通しいただければ幸いです

「お目通しいただければ幸いです」は、「お目通しいただく」に、「○○していただけるとありがたい」という意味がある「幸いです」をあわせた言葉です。「幸いです」のほかに、「助かります」という言葉を使っても、相手に丁寧な印象を与えられます。しかし、「幸いです」や「助かります」は、「可能な範囲で構わない」という意味も含まれているため、期日までに確実に目を通してほしい場合は「明日までにお目通しをよろしくお願いいたします」などの表現を使うようにしましょう。

例文:

先日の研修の報告書を作成しました。お目通しいただければ幸いです。

社員の要望をまとめましたので、お手すきの際にお目通しいただければ幸いです。

お目通しいただきたく存じます

「お目通しいただきたく存じます」は、「お目通しいただく」と、「思っています」の謙譲語である「存じます」をあわせた言葉です。「資料などを見てほしい」という思いを、より丁寧に伝えられる表現で、かしこまった印象を相手に与えることができます。上司や取引先など、目上の相手に対して使いやすい表現のため、覚えておきましょう。

例文:

パンフレットを作りましたので、お目通しいただきたく存じます。

お送りしました提案書にお目通しいただきたく存じます。

「お目通し」を使用する際の注意点

類語と混同しない

「お目通し」を、「お目通り」や「お見通し」などの類語と混同して使わないようにしましょう。「お目通り」は、身分の高い人物に会うことを意味する言葉で、「お見通し」は、相手の心のなかを見抜くことを意味する言葉です。「お目通し」と、「お目通り」「お見通し」は、少しの言葉の違いですが、意味が異なる表現です。誤って使用して相手を困惑させたり、ビジネスパーソンとして信頼を失ったりしないように注意してください。

重要な依頼には使わない

「お目通し」は、「全体にざっと目を通すこと」を意味する言葉です。そのため、重要な書類で「お目通し」を使って依頼してしまうと、細かく確認してもらえず、トラブルが発生する恐れがあります。重要な資料や書類などの確認を、上司や取引先などに依頼する場合は、「お目通し」ではなく、よく調べたうえで受け取ることを意味する「ご査収」を使うようにしましょう。

「お目通し」の類語・言い換え表現

ご一読

「ご一読(いちどく)」は、「一通り読むこと」「ざっと読むこと」を意味する言葉です。「ご一読」は、「お目通し」と同じく、「ざっと」や「簡単に」というニュアンスをもつ言葉のため、資料などを十分に確認してほしいケースには適さない表現です。

例文:

添付資料をご一読ください。

弊社のパンフレットをお送りしましたので、ご一読いただければ幸いです。

ご査収

「ご査収(さしゅう)」とは、「よく調べたうえでお受け取りください」という意味の言葉です。「ご査収」は、十分に確認してもらいたい際に適切な表現のため、重要な依頼をする際に活用すると、確認漏れによるトラブルの防止につながるでしょう。

例文:

契約書をお送りいたしましたので、ご査収ください。

請求書をお送りしました。ご査収のほどよろしくお願いいたします。

ご確認

「ご確認」は、相手に「確かめて、認めてもらうこと」を意味する言葉です。「ご確認」は、資料や書類だけでなく、状態や状況にも使用できるため、ビジネスシーンで幅広く使いやすい表現です。

例文:

お手すきの際に、添付ファイルのご確認をお願いいたします。

研修への参加者をご確認ください。

ご高覧

「ご高覧(こうらん)」は、「見る」の尊敬語である「ご覧になる」を、さらに丁寧に表した言葉です。「ご高覧」は、かしこまった印象を相手に与えるため、社内の上司など近しい間柄の目上の人には「ご覧ください」で問題ありません。

例文:

試作品の説明資料です。ご高覧ください。

弊社の事業について、弊社サイトをご高覧いただければ幸いです。


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まとめ

・「お目通し」とは「最初から最後まで一通り見ること」や「短時間でざっと目を通すこと」を意味する言葉です。

・「お目通し」の使い方は、「お目通しください」「お目通しいただく」「お目通し願います」「お目通しいただければ幸いです」「お目通しいただきたく存じます」など、様々な場面で使えます。

・「お目通し」を使用する際は、類語と混同しないようにし、重要な依頼には使わないようにしましょう。

・「お目通し」の類語・言い換え表現として、「ご一読」「ご査収」「ご確認」「ご高覧」があります。

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