フェイスブックCEOの投資顧問ディベッシュ・マカンは、いかにしてその信頼を勝ち得たのか?
成功のカギは、「幸運」と「人脈」、そして「ある意外なこと」だった。
その“顧客リスト”に並ぶ名前は豪華絢爛だ。フェイスブックの共同創業者マーク・ザッカーバーグとダスティン・モスコヴィッツ、ツイッターの共同創業者ジャック・ドーシー、リンクトインの共同創業者リード・ホフマン……。
リストの持ち主は、投資顧問会社「アイコニック・キャピタル」。同社を率いるディベッシュ・マカン(41)は、“ザックの友だち”としてシリコンバレー界隈で知られる。マカンがザッカーバーグと出会ったのは2004年。当時、投資銀行ゴールドマン・サックスの社員だったマカンは、ハーバード大学の寮からシリコンバレーへ移ったばかりのころに彼と知り合った。そして、フェイスブックの成長とともに、前出の富豪たちとも知り合いになり、彼らを顧客リストに加えていった。
その華やかな顔ぶれは、いまや他の富豪や若手起業家をも惹きつけている。例えば、アイコニックがソフトウェア開発企業「スプリンクラー」に投資する前、同社の創業者ラジー・トーマスはマカンから著名な富豪3人との夕食に誘われたという。
「アイコニックのような会社に投資を持ちかけられたら断れないよ。彼らはおそらく世界中に人脈を持っているからね」
とはいえ、幸運と人脈だけでマカンの成功は説明できない。じつは、彼はおよそ投資顧問らしかぬ泥臭い仕事を通じて富豪たちの信頼を勝ち取ってきたのだ。相続弁護士と打ち合わせをしたり、婚約指輪を買ったり、顧客のために無償で雑務をこなしたという。
マカンに言わせれば、資産管理は彼の仕事の“ほんの一部”にすぎない。
「人はお金のことよりも、日々の暮らしの方が気になるものです。僕らに日常生活の面倒を見てほしいと思っています」