今回の資金調達は装置の商業生産への移行を目的としている。資金は製品販売にこぎつけるまでの事業開発に充てられる。2030年までに100台の装置が臨床現場で使用されることを目指している。
シードラウンドはライフエックス・ベンチャーズが主導し、バーブ・ベンチャーズやツルケ・ベンチャーズ、オックスフォード・シード・ファンド、リヒトシュタイナー・ファウンデーション、W.A.ド・ビジェ・ファウンデーション、創業者ら、そして創業以来同社を支援してきた多くの個人が参加した。
ライフエックス・ベンチャーズのマネージングパートナーを務めるイナキ・ベレンゲルは、「製造ツールが科学的・臨床的進歩、特に価格と拡張性の面で遅れを取っているのは明らかだ」「これらのボトルネックに対処するLimulaの取り組みは、患者が治療を受けやすくなる上で極めて重要だ」と話す。
科学者たちも期待を寄せている。イタリアのサン・ラファエレ・テレソン遺伝子治療研究所のベルンハルト・ゲントナー教授は「リミューラが進めている解決策は我々が現在手がけている治療開発を支え、後に細胞製品の大規模製造を可能にすると確信している」「概して細胞・遺伝子治療製品製造の現状を改善する可能性もある」と話す。
近年、細胞・遺伝子治療は製造工程を含めて多額の投資を集めており、リミューラはこの分野を独占しているわけではない。科学者らは医師が患者の体内で細胞を操作できるようにする治療にも取り組んでいる。この治療法はリミューラの技術の必要性を否定するものだが、実現はまだ先の話だ。
だがヘンリーはリミューラの装置は他のものにはない特性を備えていることに変わりはないと確信しており、また多くの患者の命を救う可能性のあるこの治療を推進するためには産業界との協業が必要だとも指摘する。「規模の問題を解決するには一丸となって取り組む必要がある」としている。
(forbes.com 原文)