こうした相手の行動に、一定のパターンがあると気づいた人もいるかもしれない。数週間、ひどい時は数カ月にわたる音信不通の後に相手からコンタクトがあり、交流を再開したが、すぐにまた連絡が途絶えてしまう。その場合、断続的に接触があり、表面的な会話をする、というサイクルが続く展開になりがちだ。
悲しいことに、これは今どきの出会いや交際にみられるトレンド「ペーパークリッピング」の例であり、実際に多くの人が直面している残念な現実だ。
由来は、かつて英語版のMicrosoft Officeに標準搭載されていた、ペーパークリップを擬人化したアシスタントキャラクター「Clippit(通称:Clippy)」。気まぐれとしか思えない、必要でないタイミングでひょっこり現れることが多く、何かと評判が悪かった。
つまりペーパークリッピングとは、本気で意味のある関係を結ぶつもりがないにもかかわらず、時折、予期せぬタイミングでコンタクトを取ってくる行為をさす。
Clippyに作業の邪魔をされた時と同じように、ペーパークリッピングをされた側は、押し付けがましく唐突だと感じ、感情を乱される。連絡をもらった当初は「自分に本気で関心を持ってくれたのだな」と考えるだろう。だが、多くの場合、それは人間関係に時間や労力を割くことなく相手を「控え」としてキープしておく手段にすぎない。
こうした状況が続けば、相手との関係や会話に信頼を置くのは不可能になるが、それも当然だ。ペーパークリッピングをするような相手とのやりとりが、現実的に実りあるものになることは、まずない。対面での再会や何らかの形での関係の進展につながる見込みはまったくないからだ。
では、「ペーパークリッピング」を行う人がなぜいるのだろうか。心理学の研究から導き出せる3つの理由を以下に挙げよう。