古川社長は、6月に開催されるNintendo DirectでNintendo Switch(以下、Switch)の後継機種が発表されることはないと名言した。人々が期待を膨らませないようにしたかったようだ。これまでは、かつて開催されていた世界最大級のゲームイベントであるE3の前後に多くの新型ゲーム機が発表されていたが、今回はそうではなさそうだ。
社長の古川です。2015年3月にNintendo Switchの存在を公表して以来9年ぶりにSwitchの後継機種に関するアナウンスを今期中に行います。また、2024年後半のSwitchソフトラインナップをお知らせするNintendo Directを6月に実施しますが、そこでは後継機種を扱いません。誤解のないようお願いいたします。
— 任天堂株式会社(企業広報・IR) (@NintendoCoLtd) May 7, 2024
Switchは発売当初から携帯性を重視しており、当時の競合製品よりも性能は低かった。現在は次世代のゲーム機が多数発売されており、Switchは性能面で大きく遅れをとっている。任天堂はしばしば、限られた性能で機能するようなアートスタイルや演出で補っているものの、やはり発売から長い期間が経っていることもあり、単純にアップグレードが必要な時期なのだろう。
これまで任天堂は新機種ごとにコンソールのデザインを大きく変えてきたが、Switchの携帯性という切り口を捨てて従来型のハードに戻すことは、ほぼありえないだろう。そのため、誰もが多かれ少なかれ、最高品質の画面とそれなりのパワーを備えた携帯型ハードを期待している。初期の報道ではPS4並みの画質とされていたが、その真偽はまだわからない。
任天堂が今回のような重大な発表をプレスリリースなどではなくツイートで発言できるのは、Switchの後継機がいつ、どのように発表されようが同社にとってさほど変わらないためだろう。その後継機が飛ぶように売れることは、ほぼ間違いなく、好調だった機種を受け継いだWii Uのような失敗にはならないはずだ。この後継機種の発表は2024年の晩秋から2025年初頭だろうと予想している。そうだとすると、発表までまだしばらく待つことになりそうだ。恐らく、今回の発表は主に投資家に向けたもので、彼らに「ああ、何か来るぞ」と期待を持たせ、安心させるためのものだろう。
(forbes.com原文)