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2024.05.09 11:00

米国株をチェック、コルゲート・パルモーティブ株の上昇余地は? 最新決算から分析

Newscast/Universal Images Group via Getty Images

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石鹸、洗剤、歯磨剤、ペットフードなど日常生活用品を手がける米大手コルゲート・パルモリーブ(ティッカーシンボル:CL)は、米国時間4月26日に第1四半期決算を発表し、売上高、利益ともに市場予想を上回った。
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同社は今回の四半期決算で、51億ドル(約7933億円)の売上高と0.86ドルの調整後1株当たり利益を計上した。対して市場予想はそれぞれ50億ドルと0.82ドルだった。

本稿では、コルゲート・パルモリーブの株価パフォーマンス、最近の決算から読み取れる重要なポイント、バリュエーションについて説明する。

まず、コルゲート・パルモリーブの株価パフォーマンスを見てみよう。同社の株式(以下、CL)は2021年1月上旬の85ドル台から現在95ドル前後まで10%上昇している。しかし、その上昇は一貫しているとは言い難い。2021年のリターンは0%、2022年はマイナス8%、2023年は1%だった。
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これに対し、S&P500のリターンは2021年27%、2022年マイナス19%、2023年24%であり、CLは2021年と2023年にS&Pを下回っている。だが、相場が好調な時であれ、軟調であれ、個別銘柄が単体でS&P500のパフォーマンスを上回るのは難しい。ウォルマート(WMT)、プロクター・アンド・ギャンブル(PG)、コストコ・ホールセール(COST)を含む消費財セクターのヘビー級銘柄や、グーグル(GOOG)、テスラ(TSLA)、マイクロソフト(MSFT)といった巨額な時価総額をもつ銘柄でさえそうである。

原油高と金利上昇という現在の不透明なマクロ経済環境を考えると、CLはS&P500をアンダーパフォームした2021年や2023年と同じような状況に直面し、今後12カ月間、S&P500をアンダーパフォームする可能性がある。

バリュエーションの観点からは、CLは適切な株価水準にあると考える。私たちはCLの目標株価を、米国時間5月8日の終値である93.47ドルに近い1株当たり91ドルと設定している。この目標株価は、CLの2024年通期の予想利益である3.43ドルに、過去3年間の平均PERである26倍を少し超えた倍率をかけ合わせて算出した。

コルゲート・パルモリーブの第1四半期の売上高は、オーラル・パーソナル・ホームケア部門の7%増とペット栄養部門の4%増に牽引され、前年同期比6%増の51億ドル(約7933億円)となった。既存事業ベースの売上高は、8.5%の価格上昇と1.3%の数量増加により、前年同期比9.8%増だった。調整後営業利益率は1.7%改善し、21.4%となった。増収と利益率の拡大により、調整後1株当たり利益は前年同期の0.73ドルから18%増の0.86ドルとなった。

同社の予想によれば、コルゲート・パルモリーブの既存事業売上高は5%から7%増加し、調整後の利益は1桁台半ばから後半の増加を見込んでいる。前期の2023年における通期の売上高は195億ドル(約3兆円)、調整後1株当たり利益は3.23ドルだった。

全体として、オーラル・パーソナル・ホームケア部門とペット栄養部門の両セグメントにおける価格上昇と販売量の増加に牽引され、同社は短期的には好調に推移すると予想される。とはいえ、こうしたプラス要因の多くはすでに織り込み済みであり、長期的に大きな利益を得るには、株価の下落を待つ方が得策だろう。

forbes.com原文

翻訳=江津拓哉

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