今年から始まった新たな試みが、RISING STAR COMMUNITYメンバーによるブース展示だ。AI、ディープテック、ヘルスケア、環境保全、SaaSなど、さまざまな領域で奮闘する31社が、金融機関のベンチャー投資担当や大企業のオープンイノベーション担当といった一般参加者に熱のこもった事業説明をしたり、起業家同士で交流したりする姿があちらこちらで見られた。
今回は、イベント当日にブースを構えていた2社の起業家に取材。コミュニティメンバーの取り組みや目指す未来について、リアルな姿をお届けする。
最初に話を聞いたのは、Powder Keg Technologies代表の濱村将⼈だ。同社は「MUSHIKAGO」という独自の小型セキュリティデバイスを開発。このデバイスは、ネットワークにつながったPCやIoT機器などの資産を自動で検出、AIによって脆弱性診断や侵入テストを実施し、サイバーセキュリティのリスクを可視化する。専用のデバイスを接続するだけで利用できるため、導入は容易だ。
「ソフトウェアを使ってセキュリティ対策を講じるのは、社内環境を構築する必要があるなどハードルが高い。製造系のセキュリティ業務に従事していた経験から、現場での使いやすさを想定し、最初からハードウェアでの提供を考えていました」(濱村)
現在は、SIerをはじめとしたエンタープライズ企業で導入が進んでいる。また、現機能はセキュリティリスクの検知にとどまるが、検知したリスクを解消するためのソリューションまで全自動で提供できるように開発を進めていくという。
「サイバーセキュリティの市場規模は海外、特に北米が大きく、投資環境も含めて魅力的だと考えています。国内で実績を積んで、北米への展開を目指します」(濱村)