それによると、2023年の倒産は27件と、前年の3件に比べ9倍に急増。倒産したのは、オリジナルブランドの唐揚げ店のほか、大手唐揚げチェーンのFC店、本業以外のサブビジネスとして唐揚げ事業に参入した事業者などさまざまだが、その多くが小規模な経営業者で、ブームが落ち着き唐揚げ市場から撤退していったとみられる。
ただ、この倒産はブームの終焉だけでなく、原材料として使用される輸入鶏肉が、鳥インフルエンザの流行で供給量が減少。さらに飼料価格の高騰で、牛や豚肉より安価な鶏肉の需要が高まり、鶏肉の卸売価格も自ずと高騰。また、揚げるために必要なキャノーラ油も5年間で約7割値上げしており、小規模店の経営者にとってはかなり厳しい状況だったことが伺える。
コロナ禍が明けたあと、物価高で消費者の購買意欲も変わってきており、より安いスーバーの惣菜売場で購入する人が増えてきている。また、ほかのテイクアウトビジネスが台頭しており、唐揚げブームに乗った事業者は、今後どういう舵取りをしていくのか注目したいところだ。
出典:帝国データバンク「唐揚げ店の倒産動向(2023年)」より