医師の取り合いが始まる キッカケは「働き方改革」

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政府の働か方改革関連法により、この4月にトラックドライバー不足になるのではとの憶測で「物流の2024年問題」と騒がれたが、こうした問題は物流に限らない。医療機関でも医師の長時間労働が問題となり、労働時間の短縮や休息時間の確保などが、この4月に適用されている。

そんな医療機関の事務長や院長などを対象に「医療採用」に関するアンケート調査をエムスリーキャリアが行っている。

それによると、今後の医師の採用予定について、「1年以内に必ず採用したい診療科目がある」が54%でトップ。続いて「急いではないができれば採用したい診療科目がある」が27%、「現在医師採用は不要である」が13%となっている。

採用を考えている目的としては、「体制強化(増員)」が60%でトップ。「欠員補充(退職済み)」が45%と続いており、やはり医師の働き方改革により、時間外労働時間が制限されるため、これまでの診療体制を維持するためには、増員する必要があるようだ。

同社が現役医師に向けた別のアンケート調査では、転職を考えている医師が、新しい職場に求めることとして、「給与UP」(26%)「職場環境・福利厚生」(23%)を抑えて「ワークライフバランス・休みやすい」が36%でトップ。給与に関しても、「残業手当を出してくれる。労働基準法の遵守」「残業代はきちんと算定してほしい」と、残業していても残業をしていないことになるような実態が伺え、働き方改革がしっかり浸透することを訴えているかのようだ。

圧倒的売り手市場と言われる医師採用の転職市場だが、こうした働き方改革をしっかり遵守している医療機関に医師は集まりやすく、そうではないところでは、医師不足によってさらに悩まされるかもしれない。どうすれば医師の負担を軽減できるのか、医療機関がしっかり取り組んでいくことが求められている。

出典:エムスリーキャリア「医療採用」に関するアンケート調査

文=飯島範久

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