4月2日以降、水星は「見かけ上」逆方向に動いており、それは4月25日まで続くが、99%の人たちがこの言葉の意味をよくわからず使っていると私は確信している。「敏速な惑星(Swift Planet)」とも呼ばれる水星に「実際」に何がおきているかを調べた人はいるだろうか?
「水星逆行」について検索する人が急増
「水星逆行」が不思議な現象であることに間違いはない。グーグルは、「should I ... during mercury retrograde(水星逆行の間に……をすべきか)」という検索ワードに最も多く含まれていたのは、「クルマを買う」「引っ越しする」「決断を下す」「髪を切る」「新しい仕事を始める」などだったと報告している。ほかにのも人間関係や契約書への署名、テクノロジー、睡眠への心配、妄想全般、疲労、ちょっとした不気味さを感じた人もいた。幸いなことに、最も検索された質問の1つには、「Does mercury in retrograde really affect us?(本当に水星逆行は私たちに影響するの?)」というもあった。影響はない。それが何であるか理解すれば、影響などあるわけがないことがわかる。そこに重要な意味は何もないのだ。
しかし、常にその姿を変える太陽系についてもっと知りたいなら、水星逆行は理解しておくべき興味深い現象だ。
視線が変化するから
太陽系のすべての惑星は、太陽の周りを同じ面の上で同じ方向に回っている。地球は365日かけて1周するが、水星(太陽に最も近い惑星)はわずか88日間で1周する。その間、水星の地球に対する相対位置は大きく変化し、それを見る私たちの視線も変化する。水星が内側の軌道で地球を追い越し、太陽の向こう側を通過していくとき、私たちの視点から見て、空の上で方向を変えるように見える。東から西へ動くのをやめて、西から東へ動き出すように見える。いかなる場合にも、水星が物理的に軌道上を逆行することはない。そしてこの現象は珍しくて、突然起きるものでもない。水星の逆行は1年に3~4回起こり、2024年は次のとおりとなる。
・4月2日~25日
・8月5日~29日
・11月26日~12月16日
水星逆行は純粋に地球からの視線の問題なのであり、誰かが期待しているような現象ではない。
(forbes.com 原文)