EV専門メディアのエレクトレックは、イーロン・マスクが、1万人以上の従業員に影響を与えるレイオフを社内向けのメモで発表したと報じた。
「これほど嫌なことはないが、やらなければならない」とマスクは説明し、短いメモの中で2度にわたり、人員削減によってテスラが「次の成長フェーズに向けた準備を行える」と強調した。
マスクは、テスラが1月の2023年第4四半期決算で投資家を失望させた際にも、「次の成長フェーズ」という言葉を用いていた。同社の通年の利益は、前年比23%のマイナスとなり、四半期あたりの納車台数も4年ぶりに減少した。このことは、テスラが直面する重大な課題を示している。
テスラの株価は15日に約6%下落し、年初来の下落幅は35%に拡大した。
ウェドブッシュ証券のアナリスト、ダン・アイブスはフォーブスに寄せたコメントで「今回のニュースは、テスラにとって厳しい時期が待ち受けていることを示す、不吉なシグナルだ」と述べた。「EVの需要は世界的に軟調であり、人員削減は、コストを削減するために避けられない措置だ」と彼は付け加えた。
ブルームバーグは2月、テスラの管理職が人員削減の検討を開始したと報じていた。同社は、2018年と2022年にも、それぞれ全従業員の9%と4%を削減していた。マスクは先日のBBCのインタビューで、彼がツイッター(現X)を買収して以降に、全体の約80%にあたる約6000人の人員削減を実施したと述べていた。
ここで注目を集めるのは、24日(日本時間4月25日朝)に予定されているテスラの第1四半期の決算報告が、投資家の不安を和らげることができるかどうかだ。FactSetのデータによると、アナリストはテスラが2021年以降で最悪の四半期利益と、2022年以降で最悪の四半期収益を報告すると予想している。
(forbes.com 原文)