欧州

2024.04.14 10:00

ロシア海軍、3機しかない貴重な新型飛行艇の一機失う ドローン攻撃で

ロシア海軍のベリエフBe-200水陸両用機。2020年7月、サンクトペテルブルクで(JetKat / Shutterstock.com)

ロシア海軍のベリエフBe-200水陸両用機。2020年7月、サンクトペテルブルクで(JetKat / Shutterstock.com)

ロシア軍による都市や前線部隊に対する容赦のない空襲にさらされ、それを防ぐ地対空ミサイルの不足にあえぐウクライナは、今月5日に一矢を報いた。長距離攻撃型のドローン(無人機)群を使って、ロシア国内の航空基地3カ所を一斉に攻撃したのだ。
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攻撃目標となったのは、ウクライナの前線から160kmほど離れた南部クラスノダール地方エイスクにある航空基地、同320kmほど離れた西部クルスク州クルスクにある航空基地、同640kmほど離れた南部サラトフ州サラトフ近郊にあるエンゲリス2空軍基地。ドローン群はロシア側に何らかの損害を与えたのは確かだが、損害の程度はよくわかっていない。

ウクライナ国防省情報総局は地元メディアのキーウ・インディペンデントに、エイスクの航空基地に対するドローン攻撃でロシア軍機7機を損傷させたと語っている。一方、ウクライナのシンクタンク、防衛戦略センター(CDS)は、エイスクの航空基地へのドローン攻撃と、西部ロストフ州にあるモロゾフスク空軍基地に対する空からの攻撃で、ロシア軍機計8機が破壊され、ほかに8機が損傷したと報告している。モロゾフスク空軍基地はウクライナの前線から300km強離れている。

現時点で、衛星画像で確認されている被害は1機の損傷だけだ。ただ、この1機は注目に値する機体だった。希少なベリエフBe-200水陸両用機である。Be-200は機体重量30トン弱、ツインジェットの新型飛行艇で、輸送や捜索・救助など多用途に対応し、数トンの貨物を積載して離着水できる。

アゾフ海に面するエイスクの航空基地を攻撃したドローン群の少なくとも一部は、基地の北東端の駐機エリアに突っ込んで爆発した。そこには、ロシア海軍のターボプロップ輸送機やジェット輸送機数機、スホーイ戦闘爆撃機2機などと並んで、Be-200も1機あった。

ドローン攻撃を受けたあとの基地の様子を写したプラネット・ラブズの衛星写真では、Be-200は翼のパネルがなくなっていたり、燃料が漏れ出ていたりと、損傷しているように見える。

ロシア海軍は4年前にBe-200を手に入れたばかりだった。老朽化が進み、どんどん退役しているプロペラ駆動式のベリエフBe-12水陸両用機と入れ替えるためだが、現在のBe-200保有数は3機にとどまっていると伝えられる。
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翻訳・編集=江戸伸禎

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