スラーは、米海軍を退職後の2016年に、アンドリーセン・ホロウィッツからのシード資金を得て、当初は5万人の退役軍人にキャリアサービスを提供する雇用プラットフォームとしてシフトを運営していた。しかし、同社がビジネスモデルの確立に苦戦した結果、スラーは、AFWERXとの提携で新たなプログラムを立ち上げた。このプログラムの主な目的は、現役軍人にハイテク企業や投資家との親睦機会を提供することだった。
11月の会議には、ゼネラル・カタリストやパランティア、アンドリーセン・ホロウィッツなどの企業が参加したが、他にも数十社の企業がこのプログラムに大きなメリットを感じていた。1億3000万ドルを調達した極超音速航空機メーカーのHermeus(ヘルメウス)は、このプログラムで空軍から約10人のフェローを獲得し、同社の航空機が軍のニーズによりよく対応する方法について助言を受けたという。
アンドゥリルを含むいくつかのこの分野のスタートアップに投資するゼネラル・カタリストでは、パートナーのポール・クワンが、防衛フェローの1人を投資家として採用したと語った。「シフトは異なる分野の優れた才能を、きわめて効率的につなげるようにしていた」とクワンは述べている。
一方、国防総省とハイテク企業を結びつけようとする他の取り組みの成果は、まちまちだ。今から25年前に国防総省はCIAの投資部門のIn-Q-Tel(インキュテル)を立ち上げ、パランティアや人工知能(AI)によるリアルタイムアラートサービスを提供するDataminr(データマイナー)などの企業を支援した。インキュテルの資料によると、同部門の投資先企業の約50%が政府によって「採用」されており、政府は、このモデルに基づき、DIUやAFWERX、SOFWERX、NAVALXといったイノベーション組織を立ち上げ、助成金を提供したり、軍との取引を希望する企業への投資を行った。
しかし、国防総省の2023年のレポートによると、その試みは、同省のリソースの欠如が足かせになっているという。
ハイディ・シュウ国防次官は今月、別の会議の講演で、RDERと呼ばれる別のプログラムにおいて、国防総省が有用な研究を研究所で滞留させたり、革新的な民間企業との関わりを官僚主義的なプロセスで妨げたりしていると指摘した。
一方、AFWERXの広報担当者のマシュー・クラウスは、シフトのフェローシッププログラムに代わる計画はまだないとフォーブスに語った。彼はまた「AFWERXは、新たなプログラムの可能性を含め、起業家や投資家コミュニティと関わる他の機会を引き続き探していく」と付け加えた。
(forbes.com 原文)