世界の富豪ランキングで732位(3月14日時点)のクライブ・パーマーはこのほど豪シドニーで記者会見を開き、タイタニック2号を建造する夢は健在であり、造船所を確保して来年早々にも建造が始まる予定だと語った。
パーマーは過去に2回、タイタニック2号のプロジェクトの開始と中止を繰り返した。「以前より多くの資金を手に入れた」ため、計画は以前にも増して現実味を帯びているとパーマーは語ったと英紙ガーディアンは報じた。
パーマーが所有するブルースターラインが計画しているタイタニック2号は、基本的に1912年に沈没したタイタニック号を忠実に再現し、有名な大階段や喫煙室、劇場、カジノ、クラスごとのダイニングルームなどが含まれる。最も本格的な体験に興味がある人向けに、シチューとマッシュポテトを長テーブルで提供する3等食堂も設ける。
9つのデッキを設けるタイタニック2号の3Dレンダリングによると、客室総数は835で、内訳は1等室が383室、2等室が201室、3等室が251室。乗客定員は2345人だ。乗客には1900年代初めの衣服着用が推奨されるが、義務ではない。
2027年6月に予定されているタイタニック2号の処女航海は、タイタニック号と同じ航路をとり、英南部サウサンプトンから米ニューヨークへと航行する。料金はまだ発表されていない。
ガーディアンによると、パーマーは総トン数5万6000トンのタイタニック2号の建造費用を5億〜10億ドル(約745億〜1490億円)程度と見込んでいるという。
パーマーはガーディアンに「タイタニックに取り組む方が、家で金を数えるよりずっと楽しい」と語った。
パーマーの3月14日時点の推定資産は43億ドル(約6410億円)で、オーストラリア富豪ランキングで13位だ。パーマーは1984年に豪州で資源開発会社のミネラロジーを立ち上げ、現在は石炭探査のワラタ・コールやニッケル精錬のクイーンズランド・ニッケルなども運営している。
パーマーは、香港を拠点とする鉱山採掘会社シティック(中国中信集団)が採掘する鉄鉱石鉱区を西オーストラリア州に所有。数年前、鉱山使用料をめぐるシティックとの訴訟がパーマーに有利な結果となり、パーマーの資産は急増した。ミネラロジーとシティックの訴訟は現在も続いている。